シングルマザーの終活:祖父母を「未成年後見人」に指定したら元夫が…

㋐私はシングルマザー(30歳)です。8歳の子供がいます。

㋑終活として公正証書遺言書に「未成年後見人」として、実家で同居している祖父母(自分の父母。それぞれ60歳。55歳。父は現役のサラリーマン。父母とも健康に問題なし)を指定しました。

また、遺言執行者、未成年後見監督人については、知り合いの弁護士を指定しました。

㋒未成年後見人を祖父母(自分の父母)にした理由は、元夫(35歳)が家庭裁判所に「親権者変更の申立て」をする可能性があるからです。

元夫は年収1000万円の高給取りのサラリーマンですが、仕事人間で家庭を顧みず、私との離婚理由も「すれ違い」でした。幼い子供に寂しい想いをさせたくないからです。

㋓遺言執行者、未成年後見監督人を弁護士にした理由は、離婚の公正証書により、元夫から養育費を支払ってもらってますが、私(シングルマザー)死亡後も、元夫に扶養義務(監護費用)を支払ってもらうべく、その交渉、手続きを弁護士にお願いしたいからです。

㋔ちなみに子供は祖父母にも懐いてますし、離婚後の親子交流(面会交流)で元夫と会う際も同じく懐いています。

どちらも甲乙つげがたいとなると、元夫(35歳)が家庭裁判所に「親権者変更の申立て」をした場合、血の繋がった元夫有利ですか?。

シングルマザーの方が亡くなると、未成年者である子に対し、親権を行使する人がいなくなり「未成年後見」が開始となります(民法第838条1号)。

「未成年後見」とは、親のいない、もしくは親権を行使できない未成年者のために、原則として家庭裁判所の監督のもとに、未成年者の身上と財産の保護を目的とする制度をいいます(民法第838条)。

シングルマザーの方が亡くなると「未成年後見人」が就任。未成年の子の親権者となります。

つまり、自動的に親権が父親に移ることはありません。

また、遺言書で祖父母を未成年後見人に指定していても、元夫が家庭裁判所に「親権者変更の申立て」を行った場合、家庭裁判所が「子の福祉(子にとってどちらが一番幸せか)」を最優先に判断します。

上の事例の場合

(1)祖父母の年齢と健康状態

祖父母側に有利に働きます。

特に父親が60歳。現役のサラリーマンであることは大きな強みです。

(2)祖父母と同居している

元夫に引き取られるとなると、「転校」「引っ越し」「激務の父親との2人暮らし」という激変が一度に押し寄せ、お子様に多大な精神的ストレスがかかるリスクがあります。

なので「今の家で、すでに馴染んでいるおじいちゃん・おばあちゃんとそのまま暮らす方が、子どもの情緒が安定する」と判断される可能性が高いです。

(3)元夫の激務

「果たしてどうやって8歳の子どもを育てるのか?」という具体的なプランについて裁判所に厳しく問われる点は不利に働きます。

(4)公正証書遺言であること

公正証書遺言という、公証人が関与した証明力の高い遺言書を残している点は、いい加減な気持ちで祖父母を「未成年後見人」に指定しているんじゃないことを証明することになり、祖父母に有利に働きます。

(5)子供(8歳)の気持ち

非常に重要な判断材料です。

家庭裁判所では、子供の年齢に関わらず、本人の意向を丁寧に聞き取る手続きが必ず行われます。

ただし、15歳以上のように「子どもの意見がほぼ決定打になる」ということはありません。

8歳の場合「本人の現在の安心感」や「元夫・祖父母それぞれへの愛着の度合い」を測るための重要な証言として扱われます。

お子様には、心理学や教育学の専門知識を持った「家庭裁判所調査官」が面会します。

裁判所内のプレイルーム(おもちゃや絵本がある部屋)で、一緒に遊んだりおしゃべりをしたりしながら、自然な形で

「普段お家でどんな風に過ごしている時が楽しい?」

「お父さんとお出かけする時はどんな気持ち?」

といった質問などをすることにより、どちらの環境にいる時がより情緒的に安定しているか(愛着関係)?、について、プロの目で推し量ります。


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