高齢者専門のアパート:「住宅セーフティネット」と「介護保険の「住宅リフォーム」の組み合わせ
1、事例
[事例]
アパート10戸(2階建て。エレベーターなし)。古い建物で空き室率が高いため、「高齢者向け」に特化しようと考えています。
それにはバリアフリー化が必須と考えていますが、どこから手を付ければよいですか?。
2、住宅セーフティネット
「住宅セーフティネット」とは、高齢者等の入居を拒まない「セーフティネット住宅」として登録することを条件に、バリアフリー改修工事費の最大1/3(一戸あたり最大50万円〜100万円)が補助される国が主体の制度のことをいいます。
例えば、1階の空き室3室を、高齢者向けに1室あたり75万円(合計225万円)かけてバリアフリー改修する場合、225万円×1/3=75万円、国から補助金が出ます。
甲府市の場合、相談窓口は、「甲府市役所。まちづくり総室 住宅課 住宅係」です。
◎必要書類
①アパートの図面(平面図):
セーフティネット住宅の登録には、原則として「床面積が25㎡以上(共同で利用する台所や浴室等がある場合は18㎡以上)」などの基準があるため
②建築年がわかる書類:登記簿謄本、建築確認通知書など
新耐震基準(1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物)を満たしているか確認するため。
それ以前の建物の場合は、耐震診断や耐震改修が必要になるケースがあります。
耐震診断、耐震改修の費用ですが、甲府市の場合「木造住宅耐震改修・建替え《補助》」を利用することにより、耐震改修等に要する費用に対し、限度額143万7500円の補助額を受領することが可能。
家主さんの負担を抑えることができます。
③今回のリフォーム計画の概要
注意点ですが、必ず、市役所への相談・申請。「交付決定」を受けてから、工事業者と契約・着工する」ことです。
先に工事を始めてしまうと1円も補助金が出ません。
3、介護保険でリフォーム
介護保険の支給条件を満たすと、20万円を上限として、介護保険自己負担額に合わせた介護リフォーム料金の7~9割が支給されます。
つまり、最高18万円まで支給されます。
◎要件
①住宅改修を行う利用者が要介護認定で要支援、または要介護の認定を受けている
②利用者が入院、福祉施設に入居していない
③改修費が支給されるのは1人1回、工費は20万円まで
④要介護度が3段階以上重くなった場合、1人1回に限り20万円まで再受給
◎手続き
介護リフォームは、利用者がいったん工費を全額支払い、その後に申請を行うこにより保険者である市区町村から工費の7割から9割が支給されるという形式となります(償還形式)。
申請、支給が先、ではありません。
◎手続き
①自治体から要介護、あるいは要支援の認定を受ける
↓
②ケアマネージャーに相談後、施工業者と打ち合わせ、契約
↓
③市区町村に事前申請に必要な書類を提出
↓
④着工
↓
⑤利用者が業者に代金を支払う
↓
⑥市区町村に申請。住宅改修費の支給(工費の7~9割)
◎必要書類
①住宅改修費支給申請書
②ケアマネジャー等作成の「住宅改修が必要な理由書」
③公示前の写真
④工事費見積書
⑤平面図、設計図
⑥賃貸住宅などの場合、大家さんの承諾書
※参考:「甲府市HP」
4、両制度は併用可能
既存の「2階建て・10戸」の建物を、
①家主さんが「住宅セーフティネット」を申請。住宅としてリフォーム
②個々の入居者(賃借人)が介護保険による「住宅リフォーム」を利用。
両者は併用可能です。
◎注意点
同じ工事箇所に対して、セーフティネット補助金と介護保険を「二重に」もらうことはできません。
そのため、例えば
①セーフティネットを利用
共用部分(廊下や階段の手すり設置、滑り止めなど)や、介護認定を受けていない入居者の部屋、または介護保険の上限(20万円)を超えたリフォーム費用に利用する。
②介護保険を利用
要介護認定を受けている高齢者の居室内(トイレの手すり設置、浴室の段差解消など)に利用
など、工事個所を明確に切り分け、リフォーム業者に見積もりを依頼することが必要です。
5、介護保険の「受領委任払い」
甲府市では介護保険の「受領委任払い方式」が利用可能です。
通常は入居者が一度全額を支払い、後から9割(〜7割)が戻ってくる仕組みとなりますが、「受領委任払い」を使えば、入居者は最初から「1〜3割の自己負担分」だけを施工業者に支払うだけでよくなります。
これにより、高齢の入居者に一時的な大金を用意してもらう負担をかけることなく、スムーズに合意を得て工事を進めることができます。
※参考:「甲府市HP「住宅改修費と福祉用具購入費の受領委任払い」
6、まとめ
新耐震基準(1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物)なら問題ありませんが、それ以前の建物の場合、セーフティネット住宅のバリアフリー改修を進める前に「耐震改修」が必要となります。
そうなると、「耐震補強だけで予算の大半を使ってしまう」リスクがあります。
しかし、「耐震改修補助金」 を上手にスライドさせて充当することにより、家主さんの持ち出しを抑え、両方の工事をクリアできる可能性がでてきます。
市区町村役場に事前相談の際には、住宅課(セーフティネット)だけでなく、建築指導課(耐震担当)にも同時に相談できる体制を市区町村役場側にで作ってもらうよう、依頼してみるのが最も効率的です。
十分な準備をしたうえで、事前相談に臨みましょう。
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投稿者プロフィール

- 行政書士
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◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、アポスティーユ申請手続き代行、国際結婚手続き代行、在留資格「日本人の配偶者等」(配偶者ビザ)申請代行、国際相続手続き相談
山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
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そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。
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