親などが認知症になった際の預金引き出し:全国銀行協会の指針
1、親などが認知症になると
親などが認知症になると、介護費用や医療費の支払いが必要になりますが、認知症であること銀行が知ると「口座凍結」という処置を取ります。
口座を凍結されると、窓口での手続き、ATMでの取引、自動引き落としなどの金融取引が制限されてしまいます。
これにより、医療費の支払い、施設費用の振込み、ひいては生活費の確保まで、
支障が出てしまいます。
銀行が「認知症である」と判断する基準として
①一人で窓口で手続きできるか?
②本人確認のための、名前、生年月日をすらすら言えるか?
③署名することができるか?
などを挙げることができます。
認知症により口座が凍結されてしまった場合、銀行が勧めるのが「成年後見制度」の利用です。
成年後見制度を利用すれば、選任された成年後見人が、凍結された預貯金の出入金、振込を行えるようにしてくれます。
しかし、成年後見制度は
①家族が親族の就任を希望しても、必ずしも希望が叶うとは限らない
②専門家が就任した場合、毎月ある程度の費用(報酬)がかかる
③一度利用すると死亡するまで止めることができない
④認知症の本人の利益を守るべき立場から法定相続分を主張してくる点で親族の希望が通らない
など、使い勝手が悪い所がいくつかあります。
「成年後見制度」の利用は「義務」ではありません。
利用したければいつでも家庭裁判所に利用の申立てはできるので、できれば他に選択がない場合の「最後の手段」としてとっておきたいものです。
使わないで済むに越したことはありません。
2、全国銀行協会の指針
成年後見制度の利用を検討しても、実際に申し立てから選任まで1~2か月かかり、その間の支払いなどが滞ってしまいます。
これを受けて、全国銀行協会は2021年。成年後見制度の利用を原則としながら、
①医療費や介護施設への支払いなど、緊急性の高い費用
②日常的な生活費の支払い
③その他、本人の利益となることが明確な支出
に限り、家族による預金引き出しを認める旨の指針を発表しました。
◎家族による預金引き出しを認める要件
(1)認知症の症状を確認
①医師の診断書の提出
②複数の銀行員による面談
など
(2)引き出す預金の使用用途を確認
①医療費・介護費用の請求書
②施設利用料の明細書
③公共料金の支払い証明
④その他、本人の生活に必要な費用の証明
※参考:「全国銀行協会HP「不測の事態における預金の払い出しに関する考え方について」
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