配偶者の死亡により「負担限度額認定」の適用が変わらないようにするには

[事例]

㋐母親。特別養護老人ホーム(特養)に入所している

㋑利用者負担段階は、第3段階(1)(本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円を超え120万円以下)

㋒子供は1人。

㋓相続財産は、実家と預貯金。

㋔父親死亡。母親の食費、居住費が急騰しないように、負担限度額認定の適用が変わらないように、相続人である子供、母親、双方の同意の下、預貯金など、資産の総額が550万円を超えないように、遺産分割協議書を作成した。

 

特別養護老人ホーム(特養)の費用負担を軽くする制度として、「特定入所者介護サービス費」(負担限度額認定)があります。

「特定入所者介護サービス費」(負担限度額認定)とは、個人の収入や年金に応じて費用負担が軽くなる制度のことをいいます。

所得や資産などが一定以下の場合、負担限度額を超えた分の居住費と食費が介護保険から支給されます。

介護保険の「負担限度額認定」を受けるには、本人と世帯全員が住民税非課税であり、預貯金などの資産が基準額以下であることを確認した上で、市区町村役場の介護保険窓口へ申請します。

「介護保険負担限度額認定証」の交付条件は「所得」「資産」の2つです。

(1)所得

本人を含む世帯全員が住民税非課税であること

対象者の所得と資産によって、4つの利用者負担段階に分類されています。

(2)資産(預貯金など)

例えば、第3段階(1)(本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円を超え120万円以下)の場合、

①単身:550万円以下

②夫婦:1550万円以下

◎必要書類

①本人及び配偶者(いる人のみ)の印鑑

②本人及び配偶者(いる人のみ)のすべての預貯金通帳の写し

など

◎更新

介護保険限度額認定証の有効期間は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間となります。

自動更新はされないため、毎年申請する必要があります。

負担限度額は前年の世帯所得の状況に応じて決められるので、必ずしも前回と同じ負担限度額になるとは限りません。

※参考:「父の死後“特養の母の施設代”が「月9万→13万7000円」に増加!:Yahoo NEWS」

上でも書いた通り、配偶者である夫が亡くなると、介護保険の「負担限度額認定」の資産の区分が「1550万円以下」から「550万円以下」に変わってしまいます。

夫が遺言書を残していなければ、相続人(妻、子供)による遺産分割協議により、財産分けを決めることになりますが、決め方によっては、妻の資産が増え、「550万円以下」の要件を満たさなくなり、特養での住居費、食費が高額になってしまいます。

これを防ぐためには、妻の資産の合計(妻の資産+夫から相続する財産)が「550万円以下」になるよう、遺産分割を行う必要があります。

前提として、

①現在の妻の資産の額

②父親の相続財産の内、預貯金、株式などの額

について、「財産目録」を作成。金額を明らかにしておいたほうが有用です。

また、遺産分割協議により「550万円以下」に抑えたとしても、その後、母親に年金が入る、などの理由で、超えてしまう可能性はゼロではありません。

「550万円」より僅かに下の額、ではなく、少し余裕を持った形で(例:500万円)資産を管理しましょう。

~関連記事~

特別養護老人ホーム(特養)の費用

1、特別養護老人ホーム(特養)の費用 特別養護老人ホーム(特養)の費用は、入居費用が不要。月額費用10万円弱~15万円程度が目安となります。 内訳は ①施設介護サ…

投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、アポスティーユ申請手続き代行、国際結婚手続き代行、在留資格「日本人の配偶者等」(配偶者ビザ)申請代行、国際相続手続き相談

山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。

当事務所への「お問い合わせ欄」は「こちら」

TEL:055‐215-2201
お気軽にご相談ください。

※電話が繋がらない場合、恐れ入りますが「お問い合わせ」にてお願いします。

Follow me!