ペット信託:不測の事態で飼育費が足りなくなるケースに備えて
1、ペット信託
「ペット信託」とは飼い主の死亡などに備える信託契約のことをいいます。
新たな飼い主によって飼育が継続され、費用はあらかじめ財産を渡された家族等が支払います。
◎構成
㋐委託者:飼い主
㋑受託者:親族、友人等
㋒受益者:実際にペットを飼育する人
㋓信託財産:ペットを飼育するのに必要な金銭等
㋔信託終了自由:ペットの死亡
2、飼育費用が足りなくなった際に備えて:飼い主の生前
犬が予想以上に長生きした、医療費の想定外の増額、などの理由により、「ペット信託」締結の際、受託者の信託口座に振り込んだ金額では足りなくなることがあります。
委託者である飼い主が生前で判断能力がある状態なら、追加での信託が可能です。
「ペット信託契約書」にも、その旨の条項を設けておきます。
例:
本犬の飼育費、医療費その他本犬のために必要な費用が当初信託財産を上回ることが見込まれる場合、委託者が存命中であれば、委託者は追加信託を行うことができる。
3、飼育費用が足りなくなった際に備えて:飼い主の死後
飼い主がまだ生きていても、認知症などに発症、判断能力を失ってしまうと、追加信託に対処が困難となります。
飼い主が亡くなった場合は言うまでもありません。
まず、死後に備え、遺言書を作成。受益者である新飼い主に、まとまったお金(例:200万円)を遺贈する、旨記載しておきます。
この遺贈するお金は信託財産とは全く関係ないお金です。
また、あくまでも「任意」で義務ではないですが、「ペットの世話を引き受けてくれた感謝の意味を込めて」の意味で、仮に飼育費用が信託財産の範囲内で足りて、遺贈するお金を使わないで済んだとしても、相続人への返還は不要、としておきます。
仮に遺言書を残しておかないと、新飼い主が相続人に不足する飼育費用を請求することができるか?、の問題が発生します。
相続人が支払ってくれればよいですが、拒否された場合、ペットの「終生飼養」が困難となります。
そのようなリスクを発生させないよう、備えておくことが肝要です。
4、飼育費用が足りなくなった際に備えて:飼い主の判断能力喪失後
上に書いた遺言書の効力は、飼い主死亡後に発生します。
飼い主が判断能力を失った段階では、効力は発生しません。
追加信託も困難です。
このような場合に備える方法としては、「ペット信託契約」締結時に、受託者の信託口座に振り込む「飼育費用+医療費」金額を余裕を持った額にしておくことです。
例えば、トイピープル(5歳)。「ペット信託契約」発動後、10年生きたと想定すると、10年間で必要な金額は
㋐基本的な飼育費:240万円
㋑医療費100万円
となります。
合計金額340万円。
最低これ位の金額は用意しておきましょう。

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投稿者プロフィール

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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、アポスティーユ申請手続き代行、国際結婚手続き代行、在留資格「日本人の配偶者等」(配偶者ビザ)申請代行、国際相続手続き相談
山梨県甲府市の行政書士です。
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