「指定石材店制度」は独禁法違反?
1、指定石材店制度
「指定石材店制度」とは、霊園内における、墓石の購入や建立などを決められた石材店でしか行えない制度のことをいいます。
指定石材店制度があるのは民営霊園と寺院墓地だけです。公営墓地にはありません。
なので、公営墓地については、自由に石材店を選ぶことができます。
2、指定石材店制度のメリット、ディメリット
(1)メリット
①墓地、霊園内の経営、管理が安定する
指定石材店が管理運営を受託することにより、墓地や霊園内の管理が行き届きます。
②良心的な管理を行うことが期待できる
石材店としても、杜撰な管理により、寺院に指定を取り消されたくないので、良心的に仕事を行うことが期待できます。
(2)ディメリット
①希望の石材店で墓石の購入や工事ができない
翻意の石材店があったとしても、選択することはできません。
②費用が高騰することがある
他社との相見積もりができない故に、強気な見積もりを出してくる可能性が高いです。
③「墓じまい」の際、離檀料とリンクする可能性が高い
寺院に「墓じまい」を申し出る際、高額な離檀料を要求されるリスクとリンクして、提携している石材店も割増しの見積額を出してくる可能性が高くなります。
3、「指定石材店制度」は独禁法違反?
独占禁止法19条は、事業者が、不公正な取引方法を用いることを禁じています。
そして、公正取引委員会の告示の中の10項には「相手方に対し、不当に、商品又は役務の供給に併せて他の商品又は役務を自己又は自己の指定する事業者から購入させ、その他自己の指定する事業者と取引するように強制すること」が不公正な取引方法に該当するとし、抱き合わせ販売等を禁止しています。
「指定石材店制度」については、
㋐墓所の使用権の設定
㋑墓所に設置する墓石の購入
㋒墓地建立工事
㋓墓地のメンテナンス
などを、指定された石材店のみ請け負うことができる制度なので、「抱き合わせ販売等」に該当するのではないか?、が問題となっています。
確かに、形式的に見れば「抱き合わせ販売等」に該当するともいえます。
しかし、霊園の管理運営は、永続性が求められ、長期的な保守、管理が必要となります。
それには、その霊園の管理運営について、事情を十分に熟知しており、経営基盤がしっかりしている石材業者を「指定石材店」とする必要性が高い特殊性もあります。
従って「指定石材店制度」は「抱き合わせ販売等」に該当しないと解されています。
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