胎児の相続権

胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす(民法第886条)。

相続人として相続権が認められるには被相続人が死亡した時点でおいて生きていることが必要です。胎児はまだ生まれていませんので、例外です。

なお、死産となった場合には、相続人とはなれず相続権も認められません(同条2項)

胎児が相続人になると、法定相続分と相続税の基礎控除額が変わります。

例:法定相続人は妻と長男、長女の3人。

(1)法定相続分

㋐胎児の出産前

それぞれ1/2、1/4、1/4。

㋑胎児が出産後

法定相続人は妻と子供が3名。子供の相続分は各1/6となる。

(2)相続税の基礎控除分

㋐胎児の出産前

3000万円+(600万円×3名)=4800万円

㋑胎児の出産後

3000万円×(600万円×4名)=5400万円

胎児が無事生まれた後に遺産分割をするにしても同じ「相続人」という立場においては「母親と子供」は利害が対立する関係(利益相反関係)となりますので、母親は相続放棄をしない限り、たとえ親権者でも子供を代理して遺産分割協議を行うことはできません。

この場合、母親は家庭裁判所に子供の特別代理人の選任の申立てを行い、母親とその特別代理人の間で遺産分割協議を行うことになります。

相続税の申告期限は、原則として「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」ですが、その申告期限までに胎児が出生しているかどうか、で申告の方法が変わってきます。

(1)申告期限までに出生していない場合

いったん未分割の状態で相続税申告を行い、胎児が出生した後に遺産分割を行い、その内容に基づいて修正申告や更正の請求を行う方法がありますが、配偶者の税額軽減などを利用できないディメリットがあります。

そのため、実務では一度遺産分割を行って申告。胎児が出生後に改めて遺産分割協議を行います。

(2)申告期限までに出生した場合

その子供を相続人に含めたうえで、遺産分割や相続税申告を進めることになります。

相続や遺贈により財産を取得したときに18歳未満で、法定相続人なら「未成年者控除」を利用することができます。

(18歳 – 相続開始日の未成年者の年齢)× 10万円

年齢ですが、例えば10歳4カ月の場合切り捨て。10歳として計算します。

生まれたばかりの子供の場合、18年間分となるため、18歳×10万円=180万円の控除を受けることができます。

※参考:「国税庁HP「未成年者控除が受けられる人

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