ペットの終活:負担付遺贈・ペット信託・任意後見

法律上、ペットは「物」(動産)として扱われます(民法第85条)。

飼い主が死亡した場合、ペットは相続財産の一部となり、相続人が所有権を取得することになります。

しかし、相続人がペットを飼えない場合、相続人がいない場合、まずは第三者を対象としてペットの承継先を探し、引き取ってもらう方法を検討します。

考えられる「第三者」として、愛護団体、NPO団体、動物病院、ペット里親紹介団体等が挙げられます。

承継先を探したが引き取ってもらえなかった場合、自治体への引き取りを検討します。

甲府市の場合は「甲府市健康支援センター」

引き取り手数料は

①生後91日以上の犬又は猫1頭(匹):2100円

②生後91日未満の犬又は猫1頭(匹):420円

自治体が当該動物を引き取った後は、自治体が公示して当該動物の譲渡申請を募集し、一定期間経過しても譲渡希望がない場合には自治体が殺処分を行います。

※参考:「山梨県HP「犬及び猫の引き取りについて

(1)負担付死因贈与契約

「負担付死因贈与」とは、ペットの面倒(負担)を条件に、贈与者の死亡時の財産を受贈者に贈与する契約のことをいいます。

負担付死因贈与は「契約」のため、贈与者(あげる側)と受贈者(もらう側)の合意が必要となります。

贈与の条件であるペットの面倒をみることが死後なので、贈与者との合意で契約を解除することができないのが特徴です。

死因贈与により受贈者と贈与者の相続人との間にトラブルが生じることもあるため、契約を公正証書にしておき、かつ、遺言執行者を指定しておくことが肝要です。

(2)ペット信託

「ペット信託」とは飼い主の死亡などに備える信託契約のことをいいます。

新たな飼い主によって飼育が継続され、費用はあらかじめ財産を渡された家族等が支払います。

㋐委託者:飼い主

㋑受託者:親族、友人等

㋒受益者:実際にペットを飼育する人

㋓信託財産:ペットを飼育するのに必要な金銭等

㋔信託終了自由:ペットの死亡

「ペット信託」は「契約」なので、散歩の時間、餌の時間、トリミングの頻度等、希望する条件を契約内容に盛り込むことにより、引き続き飼い主の意思を実現することができます。

また、契約時に受託者に信託監督人を付けることにより、ペットの世話が適切に行われているかどうか、信託財産の利用状況のチェックが可能です。

ディメリットとして、「親族や友人の中で、ペットの世話を行う受益者を探すのが難しい」などがありますが、そんな時は、老犬ホームなど、ペット信託をサービスとして提供している団体に依頼するのも一つの方法です。

飼い主が認知症を発症したり、重病で判断能力を失った場合にも、ペットの世話は問題になります。

上の「ペット信託」でも、発動日を契約締結日にしておけば、判断能力を失った時点でペット世話を受託者もしくは飼育者に任せることができますが、任意後見契約を締結。受任者の職務にペットの飼育管理や引渡しに関する条項を設けることによっても、生前の判断能力喪失にも備えることが可能となります。

他にも

(1)ペットの飼育ノートの作成:

ペットの種類、年齢、かかりつけ動物病院、食事の内容、かかりつけの動物病院、持病、投薬、性格などを記録しておくことにより、ペットの飼育の引継ぎをする飼育者の参考資料になります。

(2)ペット保険の見直し:

契約者死亡時に名義変更や承継が可能かどうか?、事前に保険会社へ確認。飼育ノートに記載しておくと、イザ飼い主が死亡した際、慌てなくて済みます。

(3)犬の登録変更

飼い主が変更したら、市区町村役場で登録を受けた犬の登録事項(所有者住所、所有者氏名、犬の所在地など)の変更を届け出る必要があります。

(4)犬・猫のマイクロチップ登録情報更新:

飼い主が変更したら、マイクロチップ情報の変更登録が必要となります。

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