家族信託:追加信託の際の注意点
1、追加信託
「追加信託」とは、家族信託契約締結後、金銭や不動産などの財産を追加することをいいます。
例えば、施設入居費用の追加捻出のために、金銭を追加信託した場合、などです。
財産を追加する際、新たに契約を締結し直すのではなく、当初の信託契約はそのままで、対象となる信託財産を後から増やす、が特徴です。
2、追加信託は受益者と受託者の合意が必要
「追加信託」は、受益者(親など)と、受託者(子供など)双方の合意が必要です。
実務上、後日のトラブル防止、税務・登記上の証拠を残すため、追加信託の合意書を作成しておくことが鉄則となってます。
3、「追加信託」の注意点:判断能力が必要
「追加信託」をするには、受益者(親など)に、
㋐どの財産を
㋑誰に
㋒何のために
信託するのかを理解し、自分の意思で決められる状態である必要があります。
つまり、判断能力があるうちに追加する必要があります。
たとえ家族信託契約書に「金銭を追加できる」旨、条項を設けたとしても、判断能力を失った後では追加信託できません。
4、「追加信託」の注意点:不動産を追加信託する場合
「追加信託」が金銭の場合、受益者(親など)の普通預金口座から「信託口口座」に振込むのが、出金元、入金先、日付、金額が通帳や明細に残る点で分かり易く、説明し易いです。
これに対し、不動産の場合、信託登記、登録免許税の支払い、固定資産税の支払いなど、新たな対応が必要となってきます。
5、「追加信託」の注意点:受託者の個人口座に入れない
「信託専用口座」とは、信託した金銭を管理する受託者個人名義の普通口座をいいます。
本当は信託法に則った「信託口口座」が作成できるのが一番よいのですが、まだまだ信託口口座開設に対応できる金融機関が少なく、かつ、開設にあたってハードルが高いです。
そこで、信託口口座の代替手段として受託者個人名義の新たな普通口座を開設、信託契約書にその口座の口座番号を明記して実務的に代用することがあります。
信託契約書に口座番号、口座名義人等の情報を明示することにより、受託者名義の個人口座は信託財産であることが明確になります。
このような「信託専用口座」に金銭を振り込まず、受託者の純粋な個人口座に金銭を振り込むと、受託者自身の財産と区別がつかなくなり、信託法で要求されている「受託者の分別管理義務」を遵守することができなくなります。
また、場合によっては「受託者への贈与なのではないか?」と疑われることもあります。
必ず、「信託口口座」もしくは「信託先行口座」に振込んでください。
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投稿者プロフィール

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山梨県甲府市の行政書士です。
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