管理費滞納を理由とする競売請求
1、区分所有権の競売の請求
①建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしたり、その行為をするおそれがあること
②その行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しいこと
③他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であること
の要件を満たせば「区分所有権の競売の請求」が認められます
(区分所有法第59条1項)
2、判例
「マンション等の共同住宅において、区分所有者の共有に属する共用部分を維持管理していくために、所定の管理費や修繕積立金等を区分所有者が負担することは当然であり、これは区分所有者の最低限の義務であるといっても過言ではない。
一部の区分所有者がその支払をしない場合、その負担は他の区分所有者に掛かることとなり、不公平が生じ、最終的には共用部分の維持管理が困難となる事態を招くことが想定される。
とりわけ、本件マンションの総戸数は12戸であることからすれば、そのうちの1戸の住民である被告による管理費等の滞納が本件マンションの維持管理に与える影響は看過できないというべきである」として「区分所有権の競売請求」を認めた。
(東京地裁平成19年11月14日)
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