遺言書が必要な人
1、令和7年度「遺言公正証書」の作成件数
日本公証人連合会HPによると「令和7年度「公正証書遺言」の作成件数は約12万4千件。
最近4年間。11万件~12万件の間を推移しています。
日本の年間死亡者数が150万人なので、「必ずしも、公正証書遺言作成の年に死亡するとは限らないこと」は百も承知で単純計算すると、全体の約7%~8%ということになります。
「自筆証書遺言」を含めたとしても、10%まではいかないでしょう。
※参考:「日本公証人連合会HP「令和7年の遺言公正証書の作成件数について」
2、9割は「遺言書なし」で相続が発生
逆に書くと、9割は「遺言書なし」で相続が発生したことになります。
遺言書がない場合、法定相続人全員により「遺産分割協議」により、財産分けを決めることになりますが、法定相続分が定められていても「争続」に発展するケースが多々あります。
裁判所HP「司法統計」によると、近年残された家族による「遺産分割事件数」が増加。約14000件となってます。
「うちは財産が少ないので遺言書は必要ない」
「うちは兄弟仲が良いので遺言書は必要ない」
自分の死後、必ずしも遺産分割協議が円満に終了するとは限りません。
遺言書があれば、法定相続人全員による遺産分割協議は必要ありません。
遺産分割協議の際の揉め事を回避するには、遺言書の作成が必要です。
※参考:「裁判所HP「司法統計」
3、遺言書が必要な人:遺産の配分を決めておきたい
(1)遺産の配分を決めておきたい
①相続人同士の仲がよくない
言うまでもないことですが、相続発生後、遺産分割協議の際、揉めるのは必至です。
特に、
㋐先妻と後妻にそれぞれ子供がいる
㋑実子と養子がいる
場合などは注意が必要です。
②不動産が多い。預貯金などは少ない
預貯金などは均等に分けることができますが、不動産は容易に均等に分割することはできません。
相続人が複数いる場合、不動産の分け方として「現物分割・換価分割・代償分割」の方法がありますが、相続発生後の紛争防止のため、遺言書を残しておきたいところです。
③結婚しているが、子供はいない
両親は既に亡くなってますが、兄弟、姉妹が存命の場合、相続人は配偶者と兄弟、姉妹になります。
また、兄弟、姉妹が既に亡くなっていたとしても、代襲相続が発生、兄弟、姉妹の子供(甥、姪)が代襲相続人として相続します。
「全ての財産を妻に」旨の遺言書を残しておくと、兄弟姉妹、甥、姪には「遺留分」がないので、安心して配偶者が全ての財産を相続できます。
④相続させたくない人、財産がある
相続をさせたくないのが、子供や両親である場合、「遺留分」という権利があるため遺言書に記載するだけではなく「生前排除」もしくは「遺言排除」を行う必要があります。
ただ、虐待などの明確な証拠が必要で、家庭裁判所の審査が非常に厳しく、認められる割合は2割程度と低いのが現状です。
遺言書にて、人里離れた山林など、左程重要でない財産を相続させ、遺留分を害しない為に金銭などで調整するのも一つの方法です。
⑤相続人がいない
遺産は国庫に帰属します(民法第959条)。
内縁の妻など、世話になった方に財産を遺したかったら、遺言書を作成しましょう。
4、遺言書が必要な人:法定相続人以外の方に遺産を遺したい
例えば、
①長年連れ添った内縁の妻または夫
②介護で世話になった、子供の配偶者
③養子縁組をしていない、後妻の子供:連れ子は相続人ではない
などです。
法定相続人以外の方に遺産を遺したかったら、遺言書にて遺贈しましょう。

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