遺言書に債務、借入金を記載したら
1、原則、法定相続人全員の債務
被相続人(亡くなった方)が借金などの債務を残して死亡した場合、原則「法定相続人全員の債務」となります。
債権者である金融機関などの同意がなければ、遺言に記載しただけでは特定の相続人だけの債務にはなりません。
しかし、令和2年4月の民法改正により、例えば、遺言で「借入金は長男が負担する」と記載しておけば、金融機関などの債権者と債務を引受ける長男との間で合意すれば、債務引受を行うことができることが明確になりました(民法第472条)
このような「免責的債務引受」は、債権者と引受人となる相続人(上の事例の場合ですと長男)が契約。債権者が他の相続人に通知することによって成立します。
2、遺言書に債務を記載するメリット
上で書いた通り、遺言書で特定の相続人に債務を指定しても、金融機関などの債権者との関係では無効です。
しかし、相続人間では遺言書での指定も有効です。例えば、遺言で長男が事業承継をすると共に借入金は長男が負担すると記載してあれば、他の相続人の同意、理解も得やすいでしょう。「争族」に発展するリスクを解消することにも繋がります。
また、被相続人が遺言書を残さないでなくなった場合、借金があるかどうかわからなければ、相続人が故人の信用情報を、信用情報機関に開示請求をするなどの方法がありますが、個人間の借金はわからないなど完璧ではありません。
ならば、被相続人が遺言書に債務の種類、金額などを記載しておいたほうが、余計な手間もなくなります。
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