失踪宣告後に行方不明者が生きていた場合
1、失踪宣告
「失踪宣告」とは、生死が分からない行方不明の人に対し、要件を満たすと法律上死亡したとみなす制度のことです。
「失踪宣告」が認められている趣旨は、行方不明者の財産を処分することができない、別の人と再婚できない等、不安定な立場に置かれてしまう残された親族等の立場を安定させるためです。
2、行方不明者が実は生きていた場合
本人が生きていても自動的に失踪宣告が取り消されるわけではないので、本人や利害関係人により、失踪宣告の取消を裁判所に申し立てる必要があります。
失踪宣告の取り消しによって、相続も初めからなかったことになります。
失踪宣告の取消による財産の返還ですが、「現に利益を受けている限度において」(現存利益だけ)返還すれば良いとされています。
①相続人等が浪費していた場合には、残っていた分だけを返還することになります。
②これに対し、生活費に使用していた場合、住宅ローンの返済に充てていた場合等は、「現に利益を受けている」といえるため、そのぶんも返還する必要があります
「失踪宣告」:裁判所HP
3、失踪宣告後の相続の取り消し
失踪宣告の取り消しが行われると、相続が取り消され、行方不明者に遺産を返還しなければなりません。
ただし、行方不明者の生存を知らずに行われた行為(善意)には影響しません。
例えば、長男が行方不明者の不動産を相続。第三者に売却した場合、長男と第三者が行方不明者が生きていたことを知らなければ、返還する必要はありません。
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