遺言執行者の役割と権限
1、定義
「遺言執行者とは、故人の遺志を実現するため、遺言書に記された指示に従い、必要な職務を遂行する者のことです。
◎遺言執行者が必要な場合
①遺言書の内容をスムースに実現させたい
②遺言書で「相続人廃除」や「認知」「特定遺贈の履行」に関する記載があるとき
2、遺言執行者に与えられる権限
遺言執行者は遺言の内容を実現するために必要な一切の行為を行う権限を持っています(民法1012条)。
最近、民法の改正により、遺言執行者の権限がより明確となりました。
①遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。
(民法1015条)
②遺言の執行の妨害行為の禁止(民法1013条)
③遺言の執行を開始したことを相続人へ速やかに通知すること(民法1007条)
④預貯金の払戻の権限の明確化(民法1014条3項)
詳細は「法務省HP」に。
3、遺言執行者の職務
(1)相続人の調査
就任後、相続人等に遺言執行者に就任したことを通知する為もある
(2)相続財産の調査
遺言書に記載されている財産の存否、変動の調査。
調査後、相続財産を適切に管理(民法1012条)
(3)財産目録の作成
相続財産の状態を明確にして、相続財産の引渡し義務(1012条)の準備をする
4、遺言執行者への報酬
遺言執行者の報酬は相続財産から支払う。
但し、遺言を執行するための費用をもって、遺留分を減ずることはできない
(民法1021条)
5、遺言執行者を解任するには
①相続人、受遺者等、相続の利害関係者全員が解任に同意していること
②解任の正当な理由があること
例:相続財産を使い込んでいる。著しく業務を遅滞させている、等
(民法1019条)
投稿者プロフィール
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