「所有者不明」のマンションは厄介

「所有者不明のマンション」が発生する主な理由は

①相続人がいない。もしくはいても遺産分割協議で揉めてて、正式な所有者が決まっていない

②法人所有で当該法人が倒産している

勿論、最終的に引き受け手が現れれば完全にダメ、じゃありませんが、簡単ではないケースも多々ある。

それは、他の区分所有者に負担が降りかかってくること。

入ってくるはずの管理費が管理組合に入ってこないと、管理組合の運営に支障がでます。

しかも、区分所有法で「規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権」(7条1項)については、 「債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」(8条)と規定されてます。

つまり、通常の管理費滞納の場合でも、所有者不明の場合でも、滞納した管理費は新所有者が支払うことになります。

これでは中々売れないでしょう。

将来、法律で「一定期間所有者不明の土地、建物は、管理者が自由に処分(売買)してもよい」旨の規定を設けたとしても、同時に区分所有法の規定も変えないと、同じく中々売れないでしょうね。

区分所有法で、建替決議は「区分所有者数の4/5以上の賛成と議決権の4/5以上の賛成が必要」と規定されてます(62条)。ある程度月日が経過したマンションで、これを満たした賛成数を得るのは非常に難しい。

現在検討されている「決議要件の緩和」(3/4もしくは2/3に引き下げる)でも難しい。

立法論として「所有者不明」「欠席者」は最初から定数に入れない、だとやや乱暴か…。

いずれにしても「所有者不明」のマンションの存在は建替えのハードルを更に高くすることになります。

マンションに限ったことではありませんが、「相続登記の義務化」により、少しでも「所有者不明」の件数が少なくなってくれること願ってます。

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投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

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