古物商とクーリング・オフ
1、古物商許可
「古物商許可」とは、法人や個人が古物営業法で決められている古物を売買または交換する際に取得が必要になるものです。
許可が必要にもかかわらず未取得だった場合「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられます。
2、古物商許可申請の流れ
(1)条件の確認申請する前に古物商許可の取得条件を確認。
①犯罪歴のある者
②未成年者
③成年被後見人・被保佐人
④古物商許可を取り消されて5年を経過しない者
⑤営業所を用意できない場合
等は古物商許可を取ることができません。
↓
(2)個人で取るか、法人で取るかを決定する
↓
(3)取り扱う古物の品目を決める
古物営業法により、以下13品目に分類されています
①美術品
②衣類
③時計
④自動車
⑤自動二輪車及び原動機付自転車
⑥自転車
⑦写真機類
⑧事務機器類
⑨機械工具類
⑩道具類(家具・スポーツ用品・CD・DVD・ゲームソフト・おもちゃ等)
⑪皮革・ゴム製品類
⑫書籍
⑬金券類
↓
(4)警察署に事前相談
書類の申請窓口は管轄する警察署の「生活安全課 防犯係」です。
↓
(5)必要書類を集める
①住民票
②身分証明書
③土地、建物の登記事項証明書
④定款のコピー(法人の場合)
等
↓
(6)申請書の作成
①古物商許可申請書一式
②略歴書(過去5年の経歴)
③誓約書
④各種申請書
等
↓
(7)申請書の提出、手数料の納付
※参考:「山梨県警察古物商申請」
※参考:「警視庁HP「古物許可申請」
3、クーリング・オフ
「クーリング・オフ」とは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度のことをいいます。
◎特定商取引法に基づき、クーリング・オフができる取引。期間
(1)8日間
①訪問販売
②電話勧誘販売
③特定継続的役務提供:
長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。 エステティック、語学教室など。
④訪問購入(出張買取):
事業者が消費者の自宅等を訪問して、物品の購入を行う取引のこと。
お客様から依頼した場合を含みます。
(2)20日間
①連鎖販売取引:
個人を販売員として勧誘し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせるという形で、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品(権利)・役務の取引。
②業務提供誘引販売取引:
「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のこと。内職商法など。
※参考:「消費者庁HP「特定商取引法とは」
4、古物商とクーリング・オフ
古物商が関係するクーリング・オフは「訪問販売」(出張買取)です。
◎古物商が買取りの際に交付する書面の内容(特定商取引法第58条の7)
①物品の種類
②物品の購入価格
③代金の支払時期、方法
④物品の引渡時期、方法
⑤物品の引渡しの拒絶に関する事項(第58条の15)
⑥契約の解除に関する定めがあるときには、その内容
クーリング・オフは書面、はがきまたは電磁的記録で行います。
クーリング・オフが適用された場合、古物商は買取った古物を無条件で消費者に返還しなければなりません(第58条の14)
㋐法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、相手方は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)をできます。
㋑事業者が、クーリング・オフに関する事項につき事実と違うことを告げたり威迫したりすることによって、相手方が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合には、上記期間を経過していても、相手方はクーリング・オフをすることができます。
㋒クーリング・オフを実行した場合、契約解除の効果は、クーリング・オフにつき善意かつ無過失でない第三者に及びます。
5、クーリング・オフの規定が除外されている古物
クーリング・オフの規定が除外されている古物として、以下のものがあります。
(1)店頭買取
査定を受けるために、店頭に足を運んだ時点で自らの意思で店頭へ買取してもらいに行ったと解釈できるため
(2)宅配買取
自らの意思で品物を梱包。郵送。買い取ってもらう一連の行為が、取引に対する意欲が高いと判断されるため。
(3)特定商品の買取
①自動車(二輪を除く)
②家具
③大型家電
④書籍
⑤CD、DVD、ゲームソフト
など。
(4)買取価格が3000円未満の現金取引
(5)過去1年以内に、同じ買取業者と買取が成立していた場合
買い取り実績はあることで「信頼関係」を築けていると判断されるため
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投稿者プロフィール

- 行政書士
-
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。
当事務所への「お問い合わせ欄」は「こちら」
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