中国人死亡。遺言書を残している場合の相続手続き

「法の適用に関する通則法」には、「相続は、被相続人の本国法による」と明記されており、相続に関しては亡くなった人の国籍を持つ国の法律が適用されます。

なので、日本で亡くなった在日中国人の相続手続きは、中国の法律に基づいて行われることになります。

中国の法律では

①「動産」(預金など)は被相続人の住所地の法律

②「不動産」は所在地の法律

が適用されると定められているので、中国にある不動産以外は、日本の法律が適用されます。

したがって、「反致」が適用され、日本に住んでいる中国人の日本にある現金、預貯金、日本に所在する不動産については日本の法律が適用されます。

これに対し、中国に所在する不動産については中国の法律が適用されることになります。

※反致:ある国の法律が他国の法律を指定し、その指定された他国の法律がさらに元の国の法律を指定する場合に、元の国の法律を適用するという考え方

中国の法律では、「遺言の効力については、遺言者の遺言作成時または死亡時の常居所地法または国籍国法を適用する」と規定されています。

しかし、日本の法体系では、このように確定的ではなく、「選択的に」準拠法が指定されている場合、原則として「反致」を認めません。

つまり、中国法が指定されたと解釈することになります。

したがって、遺言がある場合、相続に関する事項について、中国法が適用されることになります。

※反致:ある国の法律が他国の法律を指定し、その指定された他国の法律がさらに元の国の法律を指定する場合に、元の国の法律を適用するという考え方

◎相続の順位

㋐第1順位:配偶者、子、父母

㋑第2順位:兄弟姉妹、父方の祖父母、母方の祖父母

◎法定相続割合

相続人間は均等。

ただし、被相続人の財産のうち1/2は夫婦共有財産として配偶者に帰属。

残りの1/2が配偶者を含めた法定相続人の遺産相続の対象となります。

◎注意点

①遺留分制度はない

②配偶者の連れ子、事実婚の配偶者も条件次第で相続人になる可能性がある

③代襲相続はある

◎具体例

在日中国人の日本国内の不動産や動産(銀行預金等)の相続については、日本の相続法が適用されるので、第一順位の相続人は配偶者と子です。

ただし、誰が子、配偶者なのか?、の相続人と被相続人との身分関係については、中国法で認定をします。

例えば、日本では養子縁組をしていない限り、配偶者の連れ子は相続人はありませんが、中国法では実子と同じく相続人となります。

(1)戸籍謄本の代わりの「公証書」

日本でいう公証役場の公証人にあたる、中国の公証処の公証員によって作成されたものです。

出生公証書、親族関係公証書、死亡公証書などがあります。

(2)死亡を証明するための

㋐外国人住民票

㋑閉鎖外国人登録原票の写し

㋒病院の死亡診断書

(3)結婚公証書

中国本国で届けを出した地域の公証処(公証役場)で取得

公証書は公証機関(公証処)で公証を受けることにより、文書の内容が正規であることを証明します。

その後、中国外交部または外事弁公室でアポスティーユを取得。

これにより、日本でそのまま公文書として使用可能になります。

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