兄弟姉妹の戸籍謄本を取得するには

戸籍謄本の取得は、原則として本人または同一戸籍の親族に限られます。
戸籍謄本の取得ができる同一戸籍の親族とは、直系の親族(父母、祖父母、子、孫など)です。

傍系親族(兄弟姉妹、いとこ、叔父、叔母など)は、本人からの委任がなければ戸籍謄本を取得することはできません。

相続手続きにおいて戸籍謄本は「亡くなった人の法定相続人が誰か」を明らかにするための証明として用いられます。

◎戸籍謄本が必要な場面

①遺言書の検認

②相続税の申告

③遺族年金の請求

④不動産の相続登記

⑤預貯金の名義変更

⑥相続放棄の申し立て

(1)相続人が配偶者と兄弟の場合

配偶者の法定相続分は相続財産の3/4、兄弟姉妹の法定相続分は相続財産の1/4です。

(2)相続人が兄弟のみ

亡くなった方に配偶者、子供、孫、親、祖父母がいない場合。

(3)亡くなった方に子、孫、親、祖父母がいても、全員が相続放棄をすれば兄弟姉妹が相続人になります。

①被相続人の死亡から出生までの戸籍一式

被相続人に第1順位である子がいない事と、代襲相続人となる孫がいない事を確定させるため

②被相続人の父母の死亡から出生までの戸籍一式と祖父母について死亡の記載のある除籍謄本

被相続人に第2順位である父母・祖父母(直系尊属)がいない事及び兄弟姉妹が何人いるかを確定させるため

③相続人となる兄弟姉妹全員の現在の戸籍

兄弟姉妹が未婚であれば、通常親の戸籍に記載されてるので、親の戸籍を取得することにより、兄弟姉妹の戸籍情報も得ることができます。

また、自分も未婚なら、自分の戸籍を取得することで、同じ戸籍に記載されている兄弟姉妹の情報も取得できます。

④相続人となる兄弟姉妹が既に亡くなっていた場合、その兄弟の出生から死亡までの連続した戸籍謄本

これまでは、各本籍地から戸籍謄本を取得する必要があったので、本籍地が何度も変わると、過去の本籍地一つ一つに戸籍謄本を請求しなければなりませんでした。

特に、直接窓口に出向くことができない遠方の本籍地ですと、定額小為替を使用して、郵送で取り寄せなければならなかったので、全ての戸籍を集めるのに手間と時間と費用がかかりました。

しかし、2024年3月1日から改正戸籍法施行。「戸籍謄本等の広域交付」ができるようになりました。

「戸籍証明書等の広域交付」とは、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになることをいいます。

この制度の利用により、本籍地でない市区町村役場でも1か所で「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」全てを取得することが可能となりました。

ただし、この制度を利用して兄弟姉妹の戸籍を取得することはできません。

従来のように、「戸籍謄本等の第三者請求」により、兄弟姉妹の本籍地に請求する必要があります。

戸籍に記載されている本人、又はその配偶者(夫又は妻)、その直系尊属(父母、祖父母等)若しくは直系卑属(子、孫等)以外の第三者が、他人の戸籍の証明書を取得するには、

(1)自分の権利を行使したり、自分の義務を履行したりするために戸籍の証明書が必要な場合(例:亡くなった兄弟姉妹の相続人となった方が、兄弟姉妹の戸籍謄本を請求する場合)

(2)国、都道府県、市区町村での手続に戸籍の証明書が必要な場合(例:乙の兄の甲が、死亡した乙の財産を相続によって取得し、その相続税の確定申告書の添付書類とされる乙が記載されている戸籍謄本を税務署に提出する場合)

など、正当な理由がある場合に限ります。

この場合には、委任状は必要ありませんが、正当な理由があることを、請求書に詳しく記載する必要があります。

※参考:「法務局HP

※参考:「総務省HP「戸籍謄本等の第三者請求について

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戸籍の収集

相続手続きにおいて戸籍謄本は「亡くなった人の法定相続人が誰か」を明らかにするための証明として用いられます。 ◎戸籍謄本が必要な場面 ①遺言書の検認 ②相続税の申告…

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を簡単に集められるように:「戸籍証明書等の広域交付」

仮に、遺産分割協議に参加していない相続人がいた場合、せっかく成立した遺産分割協議は無効となり、改めて漏れた相続人を加えた上で一からやり直さなければなりません。

兄弟姉妹が法定相続人になるケース

(1)相続人が配偶者と兄弟の場合 配偶者の法定相続分は相続財産の3/4、兄弟姉妹の法定相続分は相続財産の1/4です。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
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山梨県甲府市の行政書士です。
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