「おひとりさま」こそ「尊厳死宣言公正証書」の作成を
1、尊厳死宣言公正証書
「尊厳死」とは、一般的に「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え、または中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいう。」と解されています。
◎「尊厳死」実現の効果
①自らの意思により、延命措置を差し控え、または中止することができる
②延命ではなく、苦痛の緩和を優先した医療行為が期待できる
※参考:「日本公証人連合会HP」
2、尊厳死宣言公正証書作成の流れ
「尊厳死宣言公正証書」の作成にはあらかじめ家族の了解が必要となります。
◎必要書類
①印鑑登録証明書と実印
②運転免許証等、本人確認書類と認印
◎公正証書作成基本手数料
㋐公証役場に支払う基本手数料13000円
㋑正本代900円(1枚につき300円、署名用紙1枚含め正本が3枚の場合)(注:2025年10月よりそれぞれ11000円、750円(1枚につき250円)から改定)
(1)尊厳死宣言公正証書の原案や家族の了解書等を用意する。
希望はあっても原案を上手く作成できない場合、弁護士、司法書士、行政書士など専門家に依頼。原案を作成することも可能です。
↓
(2)公証人と文面内容等について打ち合わせ。日程を調整する。
打合せ、日程の調整が難しい場合は専門家に依頼も可能です。
↓
(3)公証人により、本人の意思を直接確認した公正証書が作成される。署名、捺印。
専門家の立ち合いも可能。
㋐原本:公証役場が保管
㋑正本:本人が保管
㋒謄本:本人が意識不明で意思を表明できない場合に備え、家族、親しい方、もしくは専門家が保管
3、「おひとりさま」こそ「尊厳死宣言公正証書」の作成を
いわゆる配偶者、子供がいない「おひとりさま」といわれている独身者。
死期を迎えたとき、意識不明ですと、延命措置をするかどうか、医療・ケアチームが判断に困ることになります。
たとえ本人に親族がいたとしても、疎遠などの理由で話し合いに応じてもらえないこともありますし、成年後見人が付いていたとしても、元々成年後見人には「医療同意権」がないので、「医療同意権はないけど、「医療行為の同意書」がないと医療行為ができないので、「医療行為の同意書」に署名してもらう」など、止むを得ない事情があるとはいえ、少々強引なことをしなければならなくなります。
自分の「最期」を自分できちんと決めたい「おひとりさま」。
元気な内に「尊厳死宣言公正証書」などにより、自身の明確な意思を表明しておきましょう。
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