「合意分割」の注意点:必ず、公証役場から出力、交付されたもの(紙)を提出

「離婚時の年金分割」とは、離婚した場合に、お二人の婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができる制度のことをいいます。

年金分割の方法は2種類あります。

(1)合意分割

原則として、3号分割の範囲ではない、婚姻~平成20年3月に納付した厚生年金の保険料が対象です。

夫婦間の協議で按分割合を決定。

按分割合の範囲を知るために「情報通知書」が必要となります。

離婚後、夫婦揃って、年金事務所で手続きを行う必要となります。

(2)3号分割

平成20年4月以降に被扶養配偶者であった期間の厚生年金の保険料の納付記録について分割されます。

合意分割と異なり、相手の配偶者の同意は必要なく、1人で年金事務所で手続きできます。

離婚から2年後に手続きをすれば、折半(50%)で分割されます。

※参考:「日本年金機構HP「離婚時の年金分割

※参考:「日本年金機構HP「離婚時に年金分割をするとき

離婚後、当事者の一方が仕事が忙しくて、元夫婦が揃って年金事務所で手続きができないなどの事情がある場合、事前に公証役場で「年金分割合意書」を作成しておけば1人で手続きできます。

「年金分割合意書」を作成。公証人の認証(私署証書の認証)を受ける手数料は6500円です(平成7年10月から5500円→6500円に改定)。

なお、「離婚公正証書」に年金分割条項を入れることもできますが、公証役場手数料が養育費や財産分与の算定した価格とは別途に13000円必要となります(平成7年10月から11000円→13000円に改定)。

また、年金事務所での手続きの際「離婚公正証書」を丸ごと提出しなければならなくなるので煩雑になってしまいます。

離婚公正証書とは別に「年金分割合意書」を作成しておいた方が望ましいです。

電磁的記録をもって作成された公正証書については、公証役場で出力し交付されたものに限ります。

当該公正証書の電子データを個人で印刷したものは、有効な添付書類とはなりませんのでご注意ください。(以上、日本年金機構HPより)

2025年10月1日から「公正証書の作成手続きのデジタル化」が開始となりました。

その結果、原則として電磁的記録をもって公正証書を作成することになりました。

従来の「正本」「謄本」に該当するものとして、希望に応じて電磁的記録又は紙で交付しますが、「離婚公正証書」を年金事務所に提出する際は、電磁的記録を自分で印刷したものは不可です。

必ず、公証役場から出力、交付されたもの(紙)を提出してください。

※参考:「日本年金機構HP「合意分割制度

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