「おひとりさま」の相続対策
1、「おひとりさま」の相続
いわゆる配偶者、子供がいない「おひとりさま」といわれている独身者は、何も相続対策をしていないと、相続財産すら把握できず、相続手続きが難航する可能性が高いです。
また、ご両親がいないと、兄弟姉妹が相続人となりますが、相続人と被相続人の関係が疎遠ですと、話し合いが進まず、家庭裁判所に対し遺産分割調停、審判を申し立てすることになり、長期化することもあります。
そこで、生前のうちに相続対策が必要です。
2、相続人の調査
㋐直系尊属(父母や祖父母)がいる場合、直系尊属が法定相続人となります。
㋑直系尊属が亡くなっている場合、兄弟姉妹が法定相続人となります。
㋒父母の一方が同じ兄弟姉妹も法定相続人です。
例えば、自分の父が再婚で、前妻との間にも子供がいる場合は、その前妻との間の子供は異母兄弟となり、法定相続人です。
ただし、法定相続分は、父母が同じ兄弟姉妹の1/2となります。
3、財産目録の作成
具体的に、以下のようなものが相続財産に含まれます。
(1)プラスの財産
①不動産(土地、家屋)
②不動産上の権利(借地権、借家権等)
③現金、預貯金
④有価証券(株式、債券、ゴルフ会員権等)
⑤動産(自動車、貴金属、骨董品等)
⑥損害賠償請求権
(2)マイナスの財産
①借入金、ローン
②保証債務
③損害賠償債務
財産目録を作成しておけば、イザ自分に何かあった時でも、相続人が財産調査をするのに苦労しなくて済みます。
年月とともに財産目録の中身が変わることもあるでしょうから、定期的にチェックしましょう。
4、遺言書の作成
財産を誰に承継させるかを決めるため、遺言書を作成しましょう。
兄弟姉妹が法定相続人となる場合、兄弟姉妹には遺留分がないので、生前に遺言書を作成しておくと、相続発生後、紛争が生じる可能性は非常に低くなります。
※遺留分:法定相続人に最低限保障される遺産取得分
それも、自筆証書遺言より、公正証書遺言のほうが、公証人の下で作成する点で法的な証明力が高く、偽造、改ざんのリスクを回避でき、遺言能力で争いが生ずるリスクが少なくなる点で有用です。
さらに公正証書遺言にて遺言執行者を指定しておいたほうが、相続手続きをスムーズに進めることができます。
5、財産管理、死後の手続きをしてもらう方を決めておく
高齢になると、財産管理や施設入所、病院の入院手続きなどを一人で行うことが難しくなってきます。
また、死後、葬儀、納骨、埋葬に関する事務、行政手続きを代行してもらう方を探しておかないとなりません。
そのような場合に備え
①財産管理契約の締結
②任意後見契約の締結
③死後事務委任契約の締結
を検討するのも一つの方法です。
~関連記事~
山梨県、甲府市で見守り契約、財産管理契約、任意後見契約、遺言書の作成、公正証書遺言の原案作成、尊厳死宣言公正証書の原案作成、死後事務委任契約、終活に関する様々な問題にお困りでしたら、ご相談承けたわまります。
投稿者プロフィール

- 行政書士
-
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
高齢化社会を元気に生きる社会に。
体の不自由なお年寄りが安心して生活出来る社会を作りたい、
困っている方の力になりたい。
皆で応援し、安心して暮らせる社会を作りたい。
そんな願いを胸に日々仕事に従事しています。
当事務所への「お問い合わせ欄」は「こちら」
お気軽にご相談下さい。
最新の投稿
離婚、シングルマザー、未婚の母2025年6月24日未婚の母の子供の相続
離婚、シングルマザー、未婚の母2025年6月24日未婚の母とシングルマザーとの違い
離婚、シングルマザー、未婚の母2025年6月24日未婚の母から生まれた子供。戸籍は?
終活、遺品整理、墓じまい2025年6月24日「おひとりさま」の相続対策