配偶者居住権の相続税評価額
1、配偶者居住権の具体例
夫の遺産:自宅5000万円、預金1000万円
相続人:妻、長男
配偶者居住権の評価額:2500万円
法定相続分通り分けると、妻と長男各3000万円。
妻が実家を相続したとして、長男に不足分2000万円を支払う、は現実の問題難しいでしょう。
そこで、配偶者居住権。
妻:配偶者居住権(2500万円)+預貯金(500万円)
長男:自宅の所有権(5000万円―2500万円)+預貯金(500万円)
原則として配偶者居住権の存続期間は妻の終身
妻が死亡した場合(二次相続)、配偶者居住権は消滅。長男は完全な自宅の所有権を取得することができます。
2、配偶者居住権の相続税評価額
配偶者居住権は、建物の時価とその建物にあとどれぐらい住めるかを数値で表した指標(建物の残存耐用年数、配偶者の平均余命など)をもとに評価します。
(1)建物の配偶者居住権
建物の時価ー建物の時価×((①-②)÷①)×配偶者居住権の残存年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
①建物の残存耐用年数
②配偶者居住権の存続年数
(2)建物の所有権
建物の時価ー配偶者居住権の評価額
(3)敷地の利用権
土地の時価ー(土地の時価×配偶者居住権の残存年数に応じた民法の法定利率による複利現価率)
(4)敷地の所有権
土地の時価ー敷地の利用権の評価額
◎建物の時価:固定資産税評価額
◎土地の時価:路線価方式もしくは倍率方式
◎建物の残存耐用年数:所得税法上の住宅の耐用年数×1.5-建築後の経過年数
◎配偶者居住権の存続年数:配偶者の平均余命
◎民法の法定利率:3%
◎複利現価率:国税庁HP「複利表」を参照
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