山でドローンを飛ばすには

１、まずは山林の管理者に相談を

山林は、その所有形態によって

①国が所有する国有林

②それ以外の民有林

と大別されます。

民有林は更に、

㋐公有林：都道府県、市区町村等が所有

㋑私有林：個人、企業が所有

とに分けられています。

（１）国有林

所管の森林管理局に入林届を提出

全国７ブロックに分けられた森林管理局では、ドローン飛行の手続きについてホームページに掲載しています。

◎注意点：

入林届は「許可書」ではありません。

入林してドローンを飛行させる許可を森林管理局から取得した.ものではありません。

あくまでも「この山林で飛行させますので、お知り置きください」という申告書のようなもので、それが「受理」されたというだけのことです。

※参考：「林野庁森林管理局ＨＰ」

※参考：「関東森林管理局ＨＰ「国有林野内で無人航空機（ドローン、ラジコン機等）を飛行させる場合の手続」

※参考：「無人航空機を飛行させる場合の入林届」

（２）公有林

各自治体に問い合わせ。

（３）私有林

登記上の所有者が管理してますが、１つの山に複数が混在しているケースも多々あり、これらの所有者を全て特定、許可を得るのは大変な作業となります。

ただ、その一帯を観光協会等の法人団体が管理している場合もあります。

問い合わせて、飛行計画への許可を得ることができれば、私有林での飛行が可能となります。

２、高度１５０m以上の空域で飛行するには申請が必要です

航空法で禁止されている飛行空域や飛行方法の1つに「高度１５０ｍ以上の飛行禁止」があります。

１５０ｍ以上の高度で飛ばすには、国土交通省に「飛行許可申請」が必要になります。

この「高度１５０ｍ」ですが、「地表または水面から」となります。

つまり、飛行している真下の地面から何ｍの位置に機体はあるか？、によって飛行している高さが決まります。

例：

裾野の平野部からの高さが２００ｍある山の頂上でドローンを離陸させた場合、１４９ｍの高さなら違反ではありません。

しかし、そのまま真横に平行移動して裾野の平野部上空に来たら、地表からの高度が３４９ｍ。

これは違反飛行となります。

また、空域を管理している空港事務所にも飛行許可の申請が必要です。

空港事務所に飛行計画（日時、飛行経路、高度等）を提出。航空機の飛行に支障を与えることにならないか等を決める手続きです。

※参考：「国土交通省航空局ＨＰ「地表または水面から１５０ｍ以上での空域での飛行（航空法関係）」

３、鳥に注意

鳥の縄張り意識はとても強く、特に繁殖期である春から夏にかけて、縄張り近くをドローンが飛行すると鳥からの攻撃を受けてしまいます。

万が一鳥と遭遇してしまった場合は、速やかにドローンを着陸させたり、旋回させたりして、その場所から離れるようにしましょう。

４、墜落させたら

山中、山間という立地の影響から電波障害が生じ、操縦不能による墜落のリスクが避けられません。

ドローンが山中に墜落した場合、墜落した機体の回収は操縦者の義務であり、捜索、回収をせずに放置すれば「不法投棄」とみなされ廃棄物処理法違反（罰則：５年以下の懲役若しくは１０００万円の罰金またはこの併科）となります。

どうしても発見できなかった場合は、以下の措置を。

①墜落した山林の所有者、管理者への連絡

②国土交通省への事故報告：義務です

③警察への遺失物届：届けることによって、不法投棄扱いではなくなります