マンションの管理組合と自治会の違い

管理組合とはマンションの区分所有者の団体です。マンションを購入した区分所有者全員が「組合員」となるので加入義務があり、区分所有者である限り管理組合からの脱退は認められません。

これに対し、自治会とは総務省の定義によると「町または字の区域、その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」とされています。

公園・河川の清掃、ゴミ捨て場等の設置、広報物の回覧、氏神様のお祭りなど、地域事業に関わる様々な活動が自治会単位で行われています。

自治会の加入は「任意」ですが、「地域のゴミ収集所を使うことができない」「地域行事に参加できない」「近所との良好なコミュニケーションがとりにくくなる」などのデメリットが出てきます。

平成28改正マンション標準管理規約コメントに次のような記載が追加された。

「従来、本条第十号に掲げる管理費の使途及び第32条の管理組合の業務として、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成(に要する費用)」が掲げられていた。

これは、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するコミュニティ形成について、マンションの管理という管理組合の目的の範囲内で行われることを前提に規定していたものである。

しかしながら、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」との表現には、定義のあいまいさから拡大解釈の懸念があり、とりわけ、管理組合と自治会、町内会等とを混同することにより、自治会費を管理費として一体で徴収し自治会費を払っている事例や、自治会的な活動への管理費の支出をめぐる意見対立やトラブル等が生じている実態もあった。

一方、管理組合による従来の活動の中でいわゆるコミュニティ活動と称して行われていたもののうち、例えば、マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法第3条に定める管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能である」

(標準管理規約第27条コメント)

このコメントは管理組合が自治会費を徴収することは禁止されていると解釈することができますし、あくまでも自治会加入は「任意」なので、自治会からの退会、自治会費の支払いを拒否するのは可能です。

しかし、マンション標準管理規約では「管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法」について変更を行う場合「総会の決議を経なければいけない」とされています(第48条3号)。

しかも、規約の改定には総会の特別決議(組合員総数の3/4以上及び議決権総数の3/4以上)が必要です。

区分所有者個人だけでなく、マンション全体で自治会を退会する場合も同じく、です。

マンション全体の場合はもちろん、区分所有者個人として退会を検討するなら、特別決議をクリアし易い築年数が浅い内に対策を立てることが必要です。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
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