相続登記しないで放置すると…
1、事例
㋐相続人:長男、次男
㋑被相続人の相続時、遺産分割協議において「長男が不動産(実家)を単独で取得する」と決めたものの、兄弟仲が良く、他の財産分けについても争いがなかったため、遺産分割協議書は作成しませんでした。
㋒長男は家族と共に当該実家に住み始めたものの、相続登記をせずにそのまま放置していました。
㋓長男死亡。相続人:長男の嫁、子供2人
長男の妻。不動産取得。この時点でも相続登記なし。
病院の入院費を捻出するため、自宅不動産の売却を検討しましたが…
不動産会社から「相続登記をしないと売却できない」と言われてしまいました。
㋔相続登記をするには、(登記していないので)共同相続人である長男の妻。長男の子供2人子供2人、「次男」と共同ですることになります。
㋕しかし、次男はすでに死亡。次男の妻と次男の子供2名と。合計8人で共同ですることになりました。
㋖8名で遺産分割協議。遺産分割協議書を作成しようとすると…。
次男の妻:認知症。判断能力が無い
次男の子供A:海外在住。その場で印鑑証明書を取ることができない。大使館でサイン証明書の発行が必要
次男の子供B:疎遠で連絡が取れず。しかも非協力的。
㋗更に、家庭裁判所への申し立てにより次男の妻に付けられた成年後見人は、本人の財産を維持するという職責から、法定相続分に見合う財産を主張。
長男の妻は次男の妻に取得分相当の金銭(500万円)の支払いをすることになりました。
2、長男が相続登記をしていたら…
上の事例はかなり極端なものですが、相続人の人数が増えれば増えるほど、通常ではしなくて済んだ手間が多数発生するリスクがあります。
2024年4月1日から「相続登記の義務化」スタート。
不動産を相続した場合、相続登記を、「相続発生から3年以内」に行うことが法律で定められました。
違反すると10万円以下の過料となります。
遺産分割協議が終了。遺産分割協議書を作成したら、直ちに相続登記を行いましょう。
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
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