相続放棄照会書

「相続放棄の照会書」とは、相続放棄の申述をした本人の意思を確認するための家庭裁判所からの書面です。

家庭裁判所から送られてくる書類を「照会書」、返送する書類を「回答書」といいます。

家庭裁判所により内容が違いますが、基本的には以下の通り。

①本人の意思で間違いないですか?

②相続放棄をすると全財産を放棄することになりますが、ご存知ですか?

③亡くなった人の死亡を知ったのは何時ですか?

④亡くなった人の財産を使いましたか?

⑤相続放棄をする理由は何ですか?

例えば、債権者からの借金のと督促状により死亡を知った場合です。

子供、孫、父母、祖父母と相続人が相続放棄。第3順位の兄弟姉妹が相続人の場合だと、必ずしも亡くなった日に死亡を知るとは限らないので、督促状に書いてある日時が「知ったとき」となります。

その旨の「上申書」を回答書に添付。家庭裁判所に送付します。

亡くなった方のの身分相応で、一般的に許容される範囲内で葬儀を行った場合の費用を、亡くなった方の相続財産から支払っても「単純承認」には該当しません。

葬儀費用の領収書を回答書に添付。家庭裁判所に送付します。

相続人が全員相続放棄すると、利害関係人等の申し立てにより、家庭裁判所が「相続財産清算人」を選任します。

相続財産清算人が財産の調査をする際、不自然なお金の引き出し方等、相続放棄の申述書、回答書と矛盾することがあると、申述人に質問、問い合わせがきます。

嘘がバレれば、最悪「相続放棄の取消」に繋がることもあります。

回答書は正直に記載しましょう。

相続財産を処分による単純承認を擬制」(結果、相続放棄できない)が適用されるためには

㋐相続人が自己のために相続が開始した事実を知りながら相続財産を処分

㋑少なくとも相続人が被相続人の死亡した事実を確実に予想しながらあえて処分

したことを要する (最高裁昭和42年4月27日)

この判例を読む限り、「知らなければ」相続放棄が取り消されることは無さそうですが、「絶対」ではない。

紛らわしい行為はしない方が無難ですね。

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投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

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