農地に「相続土地国庫帰属制度」を利用
1、引き取ることができない土地
(1)建物がある土地
農地の場合、基本的に建物が建っていることはないので、該当しないと思われます。
(2)担保権や使用収益権が設定されている土地
①地主さんが農業従事者に土地を貸している場合
②農協から借り入れを行う際に土地を担保に入れている場合
に該当する可能性があります。
(3)他人の利用が予定されている土地
例えば、自分の農地内に農業用水路が通っている場合は、この要件に該当する可能性があります。
(4)土壌汚染されている土地
農地の場合、該当する可能性はないと考えられます。
(5)境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地
農地については、境界が不明確な場合が一定数あります。
区画が限られているとはいえ、この点について検討する必要があります。
(6)崖地
例えば、棚田や茶畑など、斜面に農地がある場合、引っかかる可能性があります。
(7)残基物が地上にある土地
農地なら該当しないと考えられます。
ただし、ビニールハウスなどは該当する可能性があります。
(8)地下埋設物がある
土地農地だと基本的にないと考えられます。
(9)トラブルを抱えている土地
例えば、隣接する土地の所有者等との争訟等抱えてれば、該当します。
(10)その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる
例えば土地地改良区のように賦課金等の一定の金銭の支払いが必要になる土地については、この要件に該当する可能性があります。
2、まとめ
以上、「引き取ることができない土地」を検討してきましたが、逆に書くと、農地の場合、ちょっと気を付ければ「却下要件」に該当しないと考えられます。
その意味で宅地、山林よりハードルが低いです。
持て余している土地がありましたら「相続土地国庫帰属制度」の利用を含め、弁護士、司法書士、行政書士にご相談を。
※参考:「法務省HP「相続土地国庫帰属制度」
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「相続土地国庫帰属制度」の書類作成代行は、弁護士、司法書士、行政書士が可能です。
土地を放置することによる負担が気になっている方、是非ご相談を。
投稿者プロフィール
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