アパートに2か月間の空室があった場合「小規模宅地の特例」は使えない?
1、事例
アパート8室のうち相続開始日において5室が空室だったところ、「小規模宅地の特例」については、「賃貸割合」を乗じて計算するとは規定されていないことから、8室すべてについて小規模宅地の特例を適用した
2、令和5年4月12日採決
「小規模宅地の特例」について、貸付事業用宅地に該当するか否かは
①原則相続開始時において貸付られていたかどうかで判断するが
②一時的に空室であった場合も、貸付られていたものとして、「小規模宅地の特例」を適用できる旨を規定している。
③一時的空室であった場合とは、相続開始時において賃貸契約が終了し、空室であったとしても、引き続き賃貸される具体的な見込みが客観的に存在し、現に賃貸契約終了から近接した時期に新たに賃貸契約が締結されたなど、相続開始の前後の賃貸状況等に照らし、実質的に賃貸されていたのと同視し得るものでなければならない
としている。
④「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる」部分に該当するかどうかは、
その部分が、
㋐各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか、
㋑賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたかどうか、
㋒空室の期間、他の用途に供されていないかどうか、
㋓空室の期間が課税時期の前後の例えば1ケ月程度であるなど一時的な期間であったかどうか、
㋔課税時期後の賃貸が一時的なものではないかどうか
などの事実関係から総合的に判断します。
として、本件では、アパート8室のうち相続開始日において5室については「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる」部分に該当しないと判断された。
※参考:「国税庁HP「貸家建付地等の評価における一時的な空室の範囲」
※参考:「国税庁HP「共同住宅の一部が空室となっていた場合の小規模宅地の特例の計算」
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