引きこもりの子供。「親亡き後」に備え親ができること
1、8050問題
「8050問題」とは、就職氷河期や長引く不況、職場でのパワハラ等の人間関係などが原因で20代や30代の若者がひきこもりに。それが長期化し、80代の親が50代の子ども経済的に支えなくてはならない家庭が増えている社会問題のことをいいます。
「私たち(親)が死んだ後、(ひきこもりの)この子は一人で生きていけるのだろうか?」
どこの家庭でも共通している悩みだと思います。
最後まで面倒を見ることができるに越したことはありませんが、人間には寿命があり、それが叶わないことのことが多いです。
だからこそ、今の内に「親亡き後」のことを考えてあげなければなりません。
2、任意後見契約
「任意後見契約」とは、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、予め「任意後見人」を選任することを内容とする契約です。
任意後見人は、財産の管理や身上監護を代理します。
①財産の管理
将来本人の判断能力が低下しても、任意後見人が契約の締結等を代理することで、詐欺や悪徳商法等から本人の財産を守ることができる。
②身上監護
介護施設への入居契約、病院での入院手続き等も、任意後見人が代理することでスムーズに締結することが可能です。
引きこもりの子供は普段から人と接する機会が少ないゆえに、人と接すること、人を信頼することに恐怖を感じがちです。
将来精神疾患が進んだら猶更でしょう。
そこで、専門家などが代わって財産管理などを行います。
それも法定後見ではなく、任意後見なら信頼できる方を自由に選ぶことができます。
任意後見契約締結の際、大切なことは、
①親と引きこもりの子供が一緒に専門家と面談。任意後見人になってもらう方を選択する
②引きこもりの子供に「人と接すること」に慣れてもらうため、任意後見契約締結後、任意後見開始。財産管理を開始する前に、まずは「見守り」として定期的に連絡を取り合うことから始め、ある程度の年月をかけて、顔なじみの人間関係を形成していく。
などです。
この準備を進めていくことにより、将来親が亡くなっても、引きこもりの子供にとって「顔なじみの人」が任意後見人として財産管理などを行ってくれることになります。
焦らず、一歩一歩進めていきましょう。
3、財産管理委任契約
「財産管理委任契約」とは本人の判断能力のある間の財産管理に関して委任する契約をいいます。
任意後見人が実際に後見事務を開始できるのは、本人の判断能力が低下して任意後見監督人が選任されてからです。
なので、契約締結後、実際に判断能力が低下するまでの期間は、空白期間となります。
そこで、任意後見契約と組み合わせて「財産管理委任契約」を締結することがあります。
つまり、契約の締結後すぐに「財産管理契約」が発効。
その後本人の判断能力が低下して任意後見監督人が選任された時点で任意後見契約へと移行する形態。
このような契約形態を「移行型」といいます。
任意後見契約とともに財産管理契約を締結する場合、「財産管理委任契約」も公正証書で締結することが一般的です。
上にも書いた通り、引きこもり子供に「人と接すること」に慣れてもらうため、
㋐親子で「財産管理委任契約」を締結する方を見極める
㋑契約締結後、まずは「見守り」からスタートする
などが推奨されるのは「任意後見契約」と同じです。
そして、親の死後も通帳の管理、生活費の引渡しなど、財産管理を行うことにより、無駄な浪費などを回避することができます。
4、遺言書の作成
長年引きこもりで、他の兄弟姉妹と意思疎通をしていない場合、遺産分割協議などの話し合いすら成立しない可能性があります。
遺言書を作成しておけば、遺産分割協議は不要です。
遺言書の中でも「公正証書遺言」は、遺言書の中でも、「公正証書」で作成される遺言書です。
公正証書遺言は、遺言者が相続などについての自分の意思を「公証人」に口授。
証人2名の立ち合いの下、法的な効力を備えた公的な文書(公正証書)として作成してもらったものです。
証明性、有効性が高く、かつ法的な執行力をも備えてます。
遺言書には財産分けなどを記載しますが、その際、ただ引きこもりの子供に多くの財産を残すのではなく、「財産管理を任意後見人に依頼する」旨まで記載しておくと安心です。
また、「付言事項」に
Ⓐ引きこもりの子供が生きていくためには多くの資金が必要であること
Ⓑ親の気持ちを理解して欲しいこと
Ⓒ他の兄弟姉妹にも何らかの配慮をしていること
などを記載することにより、法的な効力はありませんが、引きこもりの子供に多くの財産を残すことにより不平、不満を感じるであろう他の兄弟姉妹の気持ちを和らげることになります。
5、まとめ
「私たち(親)が死んだ後、(ひきこもりの)この子は一人で生きていけるのだろうか?」
他の兄弟姉妹に「引きこもりの子供の面倒を見ることを条件に、多くの遺産を相続させる」ことも可能ですが、他の兄弟姉妹にもそれぞれ家庭があり、思うように動くことができないケースも十分考えられます。
その点、専門家なら、契約に基づき、支援することが可能です。
引きこもりの子供に「親亡き後」の不安。
自分が元気な内に解決策を見出してみませんか。
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
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