姻族関係終了届

１、姻族関係終了届

「姻族関係」とは、夫婦の結婚によって結ばれる親族関係のことです。
結婚すると、血の繋がりが無い配偶者の血族（両親や兄弟姉妹等）と姻族関係が結ばれます。

夫婦が離婚した場合、配偶者の血族との姻族関係も終了します。

他方、夫婦のどちらかが亡くなったときは、夫婦の婚姻関係は終了しますが、配偶者の血族との姻族関係は続いたままになります。

なので、

①元々仲が悪かった

②夫が亡くなった場合、妻が夫の両親の世話をしても相続権が無い

等の理由で、亡くなった配偶者の血族と縁を切りたいという場合、「姻族関係終了届」を提出。姻族関係を終わらせることができます。

「姻族関係終了届」は市区町村役場に提出。受理されれば、手続きは終了します。

その際、死亡した元配偶者の血族の同意は必要なく、家庭裁判所の許可も不要です。

◎必要書類

①姻族関係終了届

②戸籍謄本（本籍地以外の場合）

③印鑑

２、「姻族関係終了届」の効果

（１）変わること

①姑や舅の扶養を強要されることはなくなる

②他方、配偶者であったことは変わりはないので、相続財産や遺族年金を受け取ることができる

③戸籍に「姻族関係終了」と記載される

（２）変わらないこと

①戸籍や姓（名字）は変わらない

②子供と配偶者の血族の関係は変わらない

③相続権、遺族年金の受給資格は変わらない

３、「姻族関係終了届」を提出するメリット、ディメリット

（１）メリット

①姑や舅と関わる精神的負担が解消される

②相続権、遺族年金の受給資格はそのままある

（２）ディメリット

①配偶者の血族を頼れない

②自分の子供と配偶者の血族との縁が切れない。

ただ、義理の両親が亡くなったときは、子供は代襲相続で遺産を相続することができます。

４、婚姻前の姓に戻したい場合

市区町村役場に「復氏届」を提出します。
復氏届を提出すると、

㋐婚姻前の戸籍に戻る

㋑新しい戸籍を作る

どちらかができます。

ただ、自分が復氏届を提出しても、子供の姓と戸籍は変わりません。

子供を自分の戸籍に入れたい場合は、「子の氏の変更許可申立書」で家庭裁判所の許可を受け、市区町村役場に「入籍届」を提出する必要があります。