[事例]認知症の父親。頑なに免許返納を拒否。家族が強制的に返納できる?
1、家族が強制的に返納できない
家族が代理で免許証を返納することは可能ですが、その際は「本人の委任状」が必要で、本人に意思を確認することになってます。
つまり、残念ながら、免許返納に反対している父親を尻目に、家族が黙って返納することができません。
2、返納ではなく「失効」の方向に、ならできる
自主的に返納するのを待つのではなく、免許証を失効させる方向で、なら方法があります。
まずは家族が運転免許試験場に出向き、父親の認知症による返納について「相談」します。
家族から相談があったことを受けて、警察から父親に対し「家族から相談があったので、一度、運転免許試験場に出向き、認知症のテストを受けてほしい。必要があれば、医師の診断書の提出を行ってほしい」旨の通知が行われます。
ここで父親が出向けばよし。出向かなかった際は確認の電話をかけてくれます。
電話で状況が分からない場合、警察官が直接実家に出向いて父親の状態を確認。
問題があれば「運転が難しい状態にあり、これ以上の免許の更新はできません。返納しなければ失効します」と、本人に対し勧告してくれます。
3、まとめ
警察からの勧告=失効ではありませんが、警察官直々の勧告は一定の効果があるようです。
将来はともかく、現在は本人に代わって家族が強制的に免許証の返納をすることができません。
もちろん、自動車を売却する、自動車の鍵を隠す、免許証を隠してしまうなどにより自動車を運転させない方法もあります。
免許失効までの並行しての手段には「自動車に乗ることができない」点で一定の効果がありますが、反面反発を招き、ストレスからの暴力に発展することもあります。
本当は家族の説得により、本人が納得して免許返納、が一番よいんでしょうけど、それがどうしても叶わぬ場合、例えば、医師の診断書があれば強制的に免許を返納させることができる、などの制度を設けて欲しいですね。
※参考:「甲府市HP「運転免許証返納高齢者支援事業について」
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