扶養義務

扶養とは、自らの資産や労力だけでは生活を維持できない者に対する援助のことをいいます。

この「ある者を扶養しなければならない義務」を負う者を扶養義務者といいます。

◎扶養義務の内容

(1)生活保持義務

扶養義務者自身と同じ水準の生活を、被扶養者にも保障する義務をいいます。

①被扶養者の配偶者

②未成年の子供の両親

が生活保持義務を負います。

(2)生活扶助義務

扶養義務者自身の生活について、その余力の範囲内で、被扶養者を扶養する義務をいいます。

兄弟姉妹や、成人の子供に対する両親が負う扶養義務が、この生活扶助義務に該当します。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある(民法第887条1項)。

直系血族とは、父母、祖父母、子供、孫、ひ孫などが該当します。

また、

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない(民法第752条)。

夫婦にも扶養義務があると規定しています。

扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める(民法第879条)。

扶養の程度や方法ですが、原則として当事者間での協議によります。

協議が調わない場合、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対し調停、審判を申し立てます。

親子とは、実親子だけでなく、養親子の場合も含みますが、父親(母親)の再婚相手と養子縁組をしない限り直系血族の関係ではないため、扶養義務を負いません。

家庭裁判所は「特別の事情」があるときは。直系血族および兄弟姉妹の他にも三親等以内の親族に扶養義務を負わせることができますが(民法第887条2項)、

「特別の事情」とは、

①扶養義務が要扶養者から過去に特別の経済的援助を受けていた場合

②扶養義務者が要扶養者の住んでいた家屋を単独相続した結果、要扶養者が住むべき家もなく、資産も使い果たしてしまっていた場合

などをいいます。

養子縁組していなければ、このような「特別の事情」もないでしょう。

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