「ペット飼育禁止」の賃貸マンションでペットを飼ったら

賃貸借契約書の中に「犬、猫等のペットを飼育してはならない」と飼育を禁止する条項が設けられており、その違反が契約解除事由の一つとして挙げられていることがあります。

なので、ペットを飼育しているが判明すれば、原則として、賃貸人は契約を解除できます。

ただし、居住物件の賃貸借契約は賃借人の生活の基盤となるものであり、賃貸人と賃借人の信頼関係の上に成り立っていることから、契約違反によって常に解除が認められるわけではありません。

賃貸借契約書でペットの飼育禁止が定められていたとしても、

①賃貸人がペットの飼育を黙認している

②ペットの鳴き声や排泄物、臭いに配慮して飼育され、近隣住民にも迷惑をかけていない

などの場合、賃貸人からの契約解除が否定されることもあります(信頼関係破壊の法理)。

逆に、賃貸人がペットの飼育を理由に契約を解除、物件の明け渡しを求めたい場合、ペットを飼育することにより賃貸人に損害を与え、かつ、近隣住民に迷惑をかけているという事実(証拠)を掴み、その旨説明することにより、賃借人に解除、明け渡しを求めることになります。

賃貸借契約の当事者の一方が、右契約に基づき信義則上当事者に要求される義務に違反して、その信頼関係を破壊することにより、賃貸借関係の継続を著しく困離ならしめたときは、他方の当事者は、催告なくして賃貸借契約を解除することができる。


建物所有を目的とする土地賃貸借契約の賃借人が、借地の約半分にあたる空地をトラツク置場とし、無免許で自動車運送事業を営み、また、そのトラツクが完全に格納できずに公道上に約一メートルはみ出し公衆の通行を妨害している場合においても、

格納を完全にするための工事が比較的容易であり、近隣や歩行者から苦情が出たこともない等原判示の事情(原判決理由参照)のもとにおいては、賃貸人は、用法違反または信義則上の義務違反を理由として、賃貸借契約を解除することはできない

(最高裁昭和47年11月16日)

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投稿者プロフィール

山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

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