借地権の相続
1、借地権
「借地権」とは、建物所有目的で他人の土地を借りる権利のことです。
自分の家を建築したいと考えた場合、土地を購入するという方法もありますが、他人の土地を借りてその上に建築するという方法もあります。
他人の土地を借りる際に設定する権利が「借地権」です。
建物所有目的以外で土地を借りる場合には借地権とはいいません。
2、借地権の種類
(1)普通借地権
「普通借地権」とは、契約の更新ができる借地権です(借地借家法3条)。
存続期間は基本的に30年、30年以上の存続期間を契約で定めることもできます。
なお、30年よりも短い存続期間を定めても無効です(同法9条)。
契約の更新後の存続期間は、最初の更新時は20年、それ以降は10年とされ、正当な事由がない限り更新されます(同法4条)。
(2)一般定期借地権
一般定期借地権(借地借家法22条)とは、定められた存続期間の経過によって契約が終了する借地権です。
普通借地権と異なり、契約の更新ができません。
なので、契約期間を満了したら、更地にもどして土地を地主に明け渡す必要があります。
存続期間は50年です。
3、借地権は相続の対象になります
①借地権の相続に地主の許可は不要です。
②法定相続人以外の人への遺贈は、地主の承諾が必要です。
地主の承諾が得られなかった場合、家庭裁判所に借地権譲渡の承諾に代わる許可を求める申立て(借地借家法19条1項)をすることができます。
4、借地権の相続手続き
◎名義変更に必要な書類
①亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
②相続人全員の現在の戸籍謄本
③亡くなった方の住民票の除票もしくは戸籍の附票
④相続人の住民票もしくは戸籍の附票
⑤遺産分割協議書もしくは遺言書
⑥相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書を提出する場合)
⑦固定資産税評価証明書
建物所有権の名義変更に関する登録免許税:固定資産税評価額×0.4%
借地権の名義変更に関する登録免許税:固定資産税評価額×0.2%
5、借地権の相続財産としての価値
借地権の相続税評価額=自用地評価額×借地権割合
自用地評価額=路線価×地積(土地の面積)
例:
路線価20万円、地積100㎡、借地権割合70%の場合
20万円×100㎡×70%=1400万円
投稿者プロフィール
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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