遺言執行者
1、定義
遺言の執行とは、遺言書に書かれている内容を実現するために必要な事務を執り行うことをいいます。
この事務を執り行う人の事を「遺言執行者」といいます。
遺言執行者は
①遺言書で指定する
②家庭裁判所で選任する
の二つの方法があります。
2、遺言執行者になれる人
遺言執行者には、未成年者及び破産者を除いて誰でもなることができます
(民法第1009条)。
3、遺言執行者を選任するメリット
遺言執行者に選ばれた人は、相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為の権利と義務を有することになります。
なので、相続人だとしても執行手続きを妨げることはできません
(民法第1012条、第1013条)
そのため、相続手続きがスムースに進むことが期待できます。
4、遺言執行者の職務内容
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します
(民法第1012条)
遺言執行者に選ばれた方は、執行者になることを承諾した後、すみやかに遺言内容を実現するための手続きを行わなくてはなりません。
(民法第1007条第1項)
具体的には
①遺言書の検認手続き
②相続人へ就任承諾の旨と遺言の内容を通知
③金融機関へ相続が発生したことを通知
④相続財産を調査、財産目録を作成、交付
⑤相続財産の名義変更、分配手続き等
⑥執行費用・報酬の精算、終了の報告
また、遺言書の内容によっては
①子の認知(民法第781条)
②推定相続人の廃除及び廃除の取り消し(民法第893条、894条)
③不動産など特定の財産を相続人以外に相続させる特定遺贈の実行(民法第964条)
を行わないとなりません。
5、遺言執行者の辞任、解任
遺言執行者に就任した方が、後に健康上の理由等でどうしても職務を行えなくなった場合、家庭裁判所に辞任許可の申立てを行い、許可を得て辞任することができます
(民法第1019条2項)
また、遺言執行者が任務を怠った場合や、相続財産を使い込んでいた場合等、解任する正当な理由がある場合、利害関係人は遺言執行者の解任請求を家庭裁判所に対して行うことができます
(民法第1019条1項)
※参考:「法務省HP「遺言執行者の権限強化」
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