特定贈与信託

１、定義

「特定贈与信託」とは、障害を持った人が不自由なく、安定した生活を送れるように、本人の親族等が本人の財産の管理、運用を信託銀行などに任せる方法です。

２、特定贈与信託の仕組み

委託者：障害者を持った子供の親族等

受託者：信託銀行等

受益者：傷害を持った子供

①委託者である本人の親族等が、信託銀行等（受託者）に財産を信託

②受託者が管理、運用する財産は、受益者が不自由なく、安定した生活を送るための生活費、医療費等として定期的に交付。

それ以外の用途では使用できない

③信託財産から得られる利益は、障害を持った子供（受益者）が受け取れます

３、受益者となれる要件

「特別障害者」に該当すること

「特別障害者」とは、

①重度知的障害者

②精神障害者保健福祉手帳1級の人

③身体障害者手帳1級または2級の人

受益者が特別障害者ですと最大６０００万円まで、特別障害者以外の特定障害者ですと最大３０００まで贈与税が非課税となります。

４、特定贈与信託のメリット

①親族の死後も障害者の生活費を安全に管理できる

②６０００万円までもしくは３０００万円まで贈与税が非課税になる

③相続開始前７年以内に信託したとしても相続財産に算入されない

４、特定贈与信託のディメリット

①多くの場合、最低信託財産の額が１０００万円と決められている

②高額な手数料（信託報酬）が発生する

信託設定時に信託した財産額の３．３％（税込）の場合が多い

５、まとめ

「特定贈与信託」は富裕層で「家族信託」「負担付贈与」の選択ができない方向けです。

「家族信託」なら最低信託財産の額や手数料を決める必要がありませんが、その代わり信用できる親族等に受託者になってもらう必要があります。

親自身が亡くなっても障害のある子供が安心して生活できるよう、様々な要素を検討した上で、きちんとした道しるべを作っておきましょう。

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