相続分がないことの証明書

１、相続分がないことの証明書

「相続分がないことの証明書」とは、「私は、亡くなった方から生前特別受益を受けていたので、相続分はありません」と証明する証書のことです。

「特別受益」とは被相続人から受けていた生前贈与のことです。

受けていた人は特別受益者と呼ばれます。

特別受益には大学の学費、開業資金などの援助金等が該当します。

特別受益者の相続財産はこの特別受益分を差し引かれて算出されます。

特別受益分が相続財産額を上回っていた場合、足りない分を支払う必要はありませんが、特別受益者の相続分は実質ないものとされます。

この件について、特別受益者自身が認め、署名、捺印したものが「相続分がないことの証明書」となります。

２、相続放棄との違い

「相続放棄」は初めから相続人でなかったこととなり、その相続人としての地位は失われます。

他方、相続分がないことの証明書」は相続人の地位を失うことはありません。