家族信託の「倒産隔離機能」

「倒産隔離機能」とは、委託者や受託者が差し押さえを受ける事態になったとしても、信託財産については差し押さえを逃れ、守られることをいいます。

信託開始後に委託者が破産したとしても信託財産に影響はありません。

なぜなら、信託が開始した時点で、信託財産は受託者へ形式的な移転が行われているからです。

受託者が破産すると、信託法の規定により、受託者の任務が終了します(第56条1項3号)。

信託財産に属する財産には、影響を受けません(倒産隔離機能)。

ただ、現金については、差し押さえされることがあります。

つまり、現金を管理している口座が「信託口口座」ですと、倒産隔離機能を有しているため、差し押さえの対象にはなりません。

これに対し、信託口口座以外の口座については外形上受託者個人の預金なので、差し押えられてしまう可能性があります。

差し押さえられた場合、信託契約書を提出することにより、異議を申し立てることになります。

受益者の持つ「受益権」が差し押さえの対象となります。

つまり、受益権が破産財団に組み込まれ、他の財産と同様に債務者へと渡されることになります。

なので、委託者と受益者が同じ場合(自益信託)、委託者の財産は「受益権」として債務者への返済に充てられてしまいます。

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認知症を発症し、本人の判断能力が低下していると金融機関が把握すると、 資産が凍結されます。

預金を引き出せなくなったり、自宅を売却できなくなったりします。

そこで、「認知症による資産凍結」を防ぐ目的で、親が自分の財産の管理・処分などを、信頼できる家族(子など)に託す仕組みが「家族信託」です。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」
山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
◎主な業務内容:
相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行

山梨県甲府市の行政書士です。
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