遺言で「生命保険の受取人」を妻から愛人に変更できる
1、遺言書で「生命保険の受取人」を変更できる
平成22年成立の保険法により、遺言で生命保険金の受取人が変更できると明定されました。
なので、生命保険の契約時に受取人を「妻」としたものを、遺言で「愛人」に変更することができます。
ただし、遺言による保険金受取人の変更は、遺言者の死後、その遺言が効力を生じた後に、保険契約者の相続人がその旨を保険会社に通知する必要があります。通知しなければ保険会社に対抗することはできません。
しかし、愛人は相続人ではないので、自ら通知することはできません。通常相続人は妻や子供ですが、好んで通知するとは思えません。
このままでは愛人が生命保険金を受け取ることができなくなります。
2、遺言書で遺言執行者を指定しておく
そこで、遺言書の中で遺言執行者を指定しておけば、遺言執行者が通知してくれます。
遺言執行者に選ばれた人は、相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為の権利と義務を有することになります。
通知をするのに、妻や子供など、相続人の同意は不要です。
3、「生命保険契約の変更」は遺留分侵害になる?
被保険者が死亡したことによる死亡保険金は、この契約により定められた受取人の固有の財産であるため、相続財産ではありません。
なので「遺留分侵害額請求権」の基礎となる財産には含まれず、原則として、遺留分侵害額請求の対象にはなりません。
ただし、相続人間の公平を図る遺留分制度の趣旨に照らして、特別な事情がある場合には、例外的に遺留分侵害額請求の対象となる可能性があります。
最高裁判例(平成16年10月29日)は、生命保険金について「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法第903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合」、民法第903条の類推適用により、生命保険金も特別受益に準じ、持ち戻しの対象となると判示しています。
愛人はそもそも相続人ではありませんので、特別受益が生ずる対象者ではありません。
しかし、当該生命保険金が著しいほど不公平なものであれば、上の最高裁判例と同じ論法で、民法第903条の類推適用により、生命保険金も特別受益に準じ、持ち戻しの対象となる可能性があるかもしれません(あくまでも私見)。
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