夫婦財産契約

「夫婦財産契約」とは、婚姻しようとする男女が、婚姻前に①婚姻中の財産の管理方法②離婚時の財産分与などに関する契約を締結することをいいます。

婚姻前に「夫婦財産契約」を締結するメリットは、離婚時に「財産分与」に関して揉めるのを防止することにあります。

夫婦の財産には

①特定財産

㋐夫婦の一方が婚姻前から有する財産

㋑婚姻中に相続や贈与などで得た財産

②共有財産

婚姻期間中に夫婦で協力して形成・維持してきた財産

があります。

そのうち財産分与の対象になるのは「共有財産」のみですが、離婚時に「共有財産ではない。特定財産である」と立証するのは難しいケースがあります。

例えば、親から相続した不動産なら不動産登記簿謄本を確認すれば容易に「特定財産」だと立証できます。

しかし、預貯金ですと、いくらまでが特定財産か?を立証するには、場合によっては婚姻時から離婚時までのすべての取引履歴を公開し、一定金額以上は特定財産、と立証しなければならず、非常に困難です。

また、会社経営者で保有している自己株式「共有財産」として財産分与の対象に含まれてしまうと、離婚後も元配偶者が会社の意思決定に関与することになってしまい、円滑な会社経営を阻害するおそれがあります。

あらかじめ婚姻前に「夫婦財産契約」を締結する事により「自社株式は特有財産」決めておけば、このようなリスクを回避できます。

さらに「夫婦財産契約」で「婚姻中に得た財産は就業者のものとする。離婚時の財産分与の対象財産とはしない」旨を合意しておけば、離婚時に財産分与の対象にはなりません。

民法第756条は「夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。」と規定しています。

つまり、登記をしていなければ、仮に夫婦の一方が勝手に財産を処分してしまっても、それを取得した第三者から取り戻すことはできなくなってしまいます。

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