飼い主のいない猫（野良猫）について

１、野良猫の駆除は違法

駆除を目的として野良猫を捕獲することはできません。

犬・猫等の愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた場合は動物の愛護及び管理に関する法律の違反となります。

令和４年６月以降にペットショップ等から購入した犬、猫には原則マイクロチップが装着されています。

そういったお店などから犬や猫を購入した場合は、所有者の情報をお店からご自身の情報に変更する「変更登録」が必要です。

現在、マイクロチップを装着していない犬、猫の飼い主の皆様には、所有する犬、猫にマイクロチップを装着するよう努めることが規定されました（努力義務）。

このように、法律で規制されている理由の他、飼い猫と野良猫の区別もできず、かつ、犬と違い登録制度が無いため、行政による捕獲や駆除ができない事情もあります。

２、ＴＮＲ活動

「ＴＮＲ活動」は、飼い主のいない猫の繁殖を抑え、自然淘汰で数を減らしていくことを目的に、捕獲（Trap）し、不妊手術（Neuter）を施して元の場所に戻す（Return）活動のことです。

まず不妊手術を行うことにより、これ以上猫が増えることを抑制し、メス猫の発情の鳴き声やオス猫の尿臭などが軽減されることが期待されます。

猫を捕獲するときは、安全を期して、保護器を使用します。

また、不妊手術を実施した猫と、未実施の猫の識別をする必要があるため、不妊手術を実施する際には、猫の耳にⅤ字カットを入れます。

留意点として、不妊手術のためには費用がかかること、元に戻すので、ふん尿による被害が継続することなどが挙げられます。

３、地域猫活動

「地域猫活動」とは、地域の皆様が主体となって、飼い主のいない猫（野良猫）に不妊・去勢手術（TNR）のほか、エサやりやトイレなどを適正に管理することで、野良猫の数と被害を減らし、人と猫がともに暮らしやすい地域にしていく活動です。

（甲府市ＨＰより）

４、動物愛護管理法に基づく猫の引取り

「ＴＮＲ活動」「地域猫活動」等の対策を講じても周辺の生活環境が損なわれる事態が継続している場合、市は、動物愛護管理法に基づき、その原因となる猫の引取りを行わなければなりません（動物の愛護及び管理に関する法律第３５条３項）。

市で引き取った猫は、できるだけ譲渡に努めることになります。

※参考：「甲府市ＨＰ」

山梨県、甲府市でペットの登録、咬傷届、第一種動物取扱業の登録等、ペット・動物に関した業務は行政書士にご依頼を。