[事例]親の死後、引きこもりの兄の面倒をみないといけない?

私(長女)は結婚して家庭を持ってます。

実家には母親(父親は既に死亡)がいて、20代から引きこもりの兄の面倒を見ています。

今は母親が元気だからよいのですが、母親が死亡したら私が兄の面倒を見なければならないのか心配です。

「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」(民法第877条1項)。

この通り、確かに民法で「扶養義務」を規定してます。

しかし、それには限界があり、自分を犠牲にしてまで扶養義務を負うことまでを意味していません。

つまり、両親の死後、何が何でも引きこもりの兄の面倒を見なければならない義務はありません。

「障害者グループホーム」とは、障害のある人が日常生活の支援を受けながら共同生活を送れる住居のことをいいます。

手続きですが、市区町村役場に「障害者手帳」の交付を申請。

交付してもらったら、「障害福祉サービス」の支給を申請。

障害支援区分を認定した「障害福祉サービス受給者証」を交付してもらい、入居したい障害者グループホームと入居契約を締結します。

引きこもりの方の多くは精神に障害のある方なので、医師の診断書があれば、障碍者手帳を受け取ることができます。

合わせて、低所得で資産が少なければ、生活保護を申請します。

上に書いた通り、何が何でも引きこもりの兄の面倒を見なければならない義務はないので、その旨伝えれば、生活保護の申請は通ります。

障害者グループホームに入居できるのは、18歳以上65歳未満の方です。

もしかしたら、まだ両親が健在で引きこもりの兄の面倒を見ているのかもしれませんが、人生一寸先は闇。いつ何時両親が認知症に。もしくは死亡するかは分かりません。

また、引きこもりの兄自身が障害者グループホームへの入居を拒否する可能性もあります。

現実の問題、両親が認知症になれば、死亡すれば、引きこもりの兄を障害者グループホームへの入居させるのは困難になるでしょうし、そうなれば、兄の世話を抱え込む形となってしまいます。

両親が健在のうちに両親を説得してでも、なるべく早いうちに障害者グループホームへの入居を進めましょう。

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