家族信託で受託者が先に死亡したら
1、原則、信託契約は終了しない
受託者が死亡しても、原則として信託契約は終了しません。
また、受託者の地位は、相続によって承継されません。
受託者の相続人は、受益者に受託者が死亡したことを知らせたり、新しい受託者に信託事務の引き継ぎをしたりする義務を負うことになります(信託法第60条)。
2、新受託者が決まっている場合
家族信託では、信託契約の内容として、受託者が死亡した場合に備えて新受託者(予備的受託者)を指定しておくことができます。
相続人は指定された新受託者に信託事務を引き継ぎます。
3、新受託者が決まっていない場合
信託契約で新受託者の指定がない場合、新たに受託者を選任する必要があります。
委託者と受益者の協議によっても合意ができない場合には、新受託者を裁判所に選任してもらうこともできます。
4、信託が終了するケースも
信託の終了事由に「受託者の死亡」を定めた場合、受託者の死亡によって信託契約は終了します。
また、受託者の死亡後に、新受託者が指定されない状況が1年間続くと信託契約は終了してしまいます。
5、受託者死亡後の手続き
(1)不動産登記の名義変更
新受託者が所有権移転登記手続きをすると、信託登記の受託者の欄は登記官が職権で変更してくれます。
また、家族信託を開始する際の、委託者から受託者への所有権移転登記は登録免許税はかかりませんが、受託者から新受託者への所有権移転登記も同じくかかりません。
(2)預貯金等の引き継ぎ
信託口座の預貯金については、自身が新受託者であることの証明書類を銀行に提出することによって引き継ぎます。
その際、新受託者名義の口座への送金が必要です。
6、予め第二受託者を決めておく
上にも書いた通り、受託者の死亡後に、新受託者が指定されない状況が1年間続くと信託契約は終了してしまいます。
信託契約では、受託者が死亡した場合の第二受託者(予備的受託者)を事前に決めて、契約の内容としておくことができます。
これによって、受託者が死亡しても、受託者の地位をスムーズに引き継ぐことができます。
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