家族信託と相続税
1、相続発生。信託財産はどうなる?
受益者が死亡すると受益権は相続財産となり相続税の対象財産となります。
財産を信託財産とした場合の受益権の評価は、通常の金銭や不動産と同じ評価方法で計算されます。
なので、受益権の場合であっても、
①小規模宅地の特例
②配偶者控除
等、活用することができます。
2、誰に相続税が課税される?
㋐受益者死亡により、信託契約の定めにより信託契約が終了する場合
信託契約で定めた「帰属権利者」が信託財産を所有権として取得することになるため、帰属権利者が取得する財産に対して相続税が課税されます。
㋑受益者の死亡により信託契約が継続する場合
受益権が相続税の対象財産となるため、受益者の死亡により受益権を新たに取得する第二受益者に対して相続税が課税されます。
3、受益者死亡により家族信託を終了する場合
清算手続き完了後、信託契約に基づき、信託された不動産の所有権を権利帰属者に引き渡します。
信託された不動産は受託者の名義で登記され、信託登記も行われます。
信託終了後、受託者の名義に変更するための登記と信託の抹消登記を行う必要があります(不動産登記法第104条1号)。
そして、
①信託登記の抹消と、帰属権利者に所有権を移転するための登録免許税
②帰属権利者が不動産を取得するための不動産取得税
が発生します。
合わせて、信託財産の相続税評価額が50万円以下である場合を除き、信託終了した月の翌月末日までに
①信託に関する受益者別調書
②信託に関する受益者別調書合計表
を所轄の税務署に提出が必要です。
4、受益者死亡後も信託契約を継続する場合
信託契約の定めに従い受益権が第二受益者へ承継されるので、受益者と委託者の変更に伴う変更登記手続きが必要になります。
登記の変更にかかる登録免許税として不動産の個数×1000円がかかります。
なお、属権利者や受益者に信託不動産の所有権移転登記をするわけではないため、登録免許税、不動産取得税はかかりません。
また、受益者死亡により、受益権の移動があったので、受託者は受益権の相続税評価額が50万円以下を除き、受益者の死亡の翌月末までに、
①信託に関する受益者別調書
②信託に関する受益者別調書合計表
を所轄の税務署に提出しなければなりません。
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