年金は家族信託できる?
1、年金は「一身専属権」
「年金受給権」は「一審専属権」、つまり、権利を持つ本人のみに帰属する権利です。
なので、年金を受け取る口座を、受託者名義の「信託口口座」に指定することはできません。
それは、家族信託契約を締結しても同じです。
2、年金を家族信託の対象にしたい背景
(1)認知症になると口座が凍結させられる
認知症になって判断能力を失うと、本人の預金口座は凍結されます。
年金の受取口座も凍結されてしまうため、振り込まれた年金を利用できなくなってしまいます。
生活費を年金に頼っていたとすれば、家族は明日の生活が困ることになります。
入院費、施設費等、本人のための支出については、銀行が例外的に引き出しに応じる可能性もありますが、確実ではありません。
(2)成年後見制度
裁判所に申立てて成年後見人をつければ、預金口座の金銭を引き出すことができます。
しかし、後見人は「本人の為」にお金を使うのであり、家族の為には使いません。
また、親族も就任できますが、特に財産が多い場合は弁護士等、専門家が就任するケースが多いです。
一度就任すると亡くなるまで続くため、支払う報酬も増えていきます。
3、年金を活用するには
(1)固定費専用の引き落とし資金として活用する
公共料金等の固定的な費用の指定口座を年金のそれと同じにする。
(2)年金が支給されたら銀行の「自動送金サービス」を利用して信託口口座へ資金移動する
信託口口座は年金の振込先には指定できませんが、単なる口座間の振込であれば、振込先へ指定するのは可能です。
その際、自動送金されてくる金銭も追加で信託財産となるよう、信託契約書に明記しておく必要があります。
委託者が判断能力があるうちに準備しておきましょう。
投稿者プロフィール
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相続、終活、墓じまい、遺言書作成、遺言執行、後見、家族信託、ペット法務、民泊、古物商許可、空き家問題、相続土地国庫帰属制度の法務局への相談、申請書作成代行
山梨県甲府市の行政書士です。
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