特別受益の持ち戻し免除

特別受益の持ち戻し免除」とは、過去に行った生前贈与を特別受益の計算対象から外して遺産分割を行うように、故人が遺言書などで相続人に依頼することです。

「特別受益」とは、相続人の中に、亡くなった方から遺贈、生前贈与によって特別の利益を受けた者がいる場合に、その相続人の受けた贈与等の利益のことをいいます。

相続発生時には公平な遺産分割を行うため、特別受益も相続財産に加えた上で各相続人の相続分が話し合われます。
これを「特別受益の持ち戻し」といいます。

特別受益の持ち戻しが行われると、過去に行われた生前贈与も相続財産に含まれるので、特定の相続人に財産を遺すために行った生前贈与の意味がなくなってしまう恐れがあります。

そこで、「特別受益の持ち戻し免除」をすれば、故人が生前贈与を行った遺志が尊重され、希望の人物に財産を遺すことができます。

(1)遺言書等で明示する場合

(2)婚姻年数20年を超える夫婦が配偶者に対し居住用不動産を生前贈与した場合

(1)相続法改正により、遺留分計算時の特別受益の持ち戻し期間が10年以内の贈与(生前贈与、遺贈、死因贈与)に限定されました。

なので、依然10年以内の場合、遺留分計算時に特別受益の持ち戻し免除は行われません。

(2)遺産分割協議でまとまらず、家庭裁判所への調停、審判に持ち込まれる可能性がある。

対策としては、単に遺言書で「特別受益の持ち戻し免除」を記載するだけでなく、生前贈与を含めた財産分けを専門家と相談したうえで決めて遺言書を作成すること。

遺言書さえあれば、相続人全員の同意がない限り、遺産分割協議より優先するので。

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