タイ人が死亡した際の相続手続き
1、市区町村役場、タイ大使館へ死亡届での提出
戸籍法は、戸籍を作成しない外国人が日本で死亡した場合にも適用されます。
なので、日本人と同じく、まずは死亡診断書が、担当医から発行されます。
死亡診断書の片側が死亡届になっている点も同じです。
その後、7日以内に住民票に登録されている市区町村役場へ「死亡届」を提出します。
その際、市区町村役場に
①火葬許可証
②死亡届受理証明書
③死亡届記載事項証明書
を発行してもらうのも同じです。
その後、住民票に死亡の事実を反映させるために、死亡届受理証明書を添えて、故人の在留カードを返却します。
市役所から法務局へ、法務局から該当国の外務省領事局外国人課へと、死亡を通知することで手続きが行われます。
また、タイ大使館へも手続きが必要です。
◎必要書類
①申請書
②パスポート原本
③国民身分証明書(バット・プラチャーチョン)原本
④タイ住居登録証(タビアンバーン)原本
⑤タイの市区役所が発行した婚姻証明書もしくは家族身分証明書原本
(死亡者が婚姻している場合)
⑥市区町村役場発行の「死亡届記載事項証明書」:
アポスティーユ、公印確認が必要
⑦⑥のタイ語翻訳文:タイ王国大使館にて翻訳認証
⑧市区町村役場発行の「埋葬許可証」:
アポスティーユ、公印確認が必要
2、被相続人がタイ人である場合の準拠法は?
タイの法律では
㋐「不動産」の相続に関しては当該不動産の所在地法に従う
㋑「動産」の相続については被相続人が死亡した住所地の法律に従う
と規定されています。
したがって、
①日本国内でタイの人が死亡した相続については、日本国内の遺産については日本法が適用されます。
②日本国外にある不動産については当該不動産が所在する国の法律が適用されることになります。
3、法定相続人が誰か特定するには?
タイには、日本の様な戸籍制度が存在しません。
日本でいう戸籍と住民票が一緒になったもの、住居建物登録された家を単位に、家屋番号を付与して一冊の冊子を発行し、そこに住まう者を住民として登録して冊子に記載する制度(タビアンバーン)が存在します。
相続人の確定には、被相続人のタビアンバーンを確認することが必要です。
タビアンバーンの原本は、原則として本人(被相続人)が保有していますが、なければ、タイの郡役所、区役所で取り寄せることになります。
4、日本での相続手続き
(1)遺産分割協議書
協議によって決まった内容を遺産分割協議書に記載。相続人全員の印鑑登録された実印を押印します。
㋐日本在住の相続人
印鑑証明書を取得できるため、遺産分割協議書に印鑑証明書を添付します。
㋑タイ在住の相続人
実印を持っていないため、本人の署名を現地の公証人が署名を認証する「宣誓供述書」を発行してもらい、添付します。
(2)上にも書いた通り、タイでは日本と異なり、戸籍制度がないため、戸籍謄本に代わる書類で被相続人と相続人の関係を証明する必要があります。
①タビアンバーン
②被相続人の死亡証明書
タイ王国大使館にて被相続人の死亡証明書を取り寄せます。
③出生証明書
タイ王国大使館に申請して発行してもらいます。
④婚姻証明書
タイ王国大使館もしくはタイの郡役場から取り寄せます。
⑤閉鎖外国人登録原票
「外国人登録原票」とは、外国人登録制度に基づき作成された書類のことをいいます。
2012年(平成24年)7月9日、「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律」が施行。これに伴い、外国人登録法が廃止されました。
このため、それまで市区町村に保管されていた外国人登録原票は、法務省に送付され、現在は出入国在留管理庁において保管されています。
その経緯から「閉鎖外国人登録原票」ともいいます。
⑥上申書
タビアンバーン、死亡証明書、出生証明書、婚姻証明書、閉鎖外国人登録原票だけでは、被相続人に他に相続人がいないことを完全に証明できないため、相続人全員の「上申書」を作成。署名又は記名押印(おういん)の上、相続関係を証明することになります。
上申書に、日本在住の相続人は印鑑証明書、タイ在住の相続人は、署名を認証する公証人の宣誓供述書を添付します。
※参考:「在東京タイ王国大使館HP」
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投稿者プロフィール

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