家族信託で障害のある子供を支援するには
1、財産の管理のリスク
財産の管理のリスク
(1)親が認知症になる。もしくは死亡することにより子供を支援することができなくなる
(2)障害者が判断能力のない状態では、親が死亡後、遺産分割協議に参加できない
2、家族信託にするメリット
(1)親が認知症になっても、親の資産が凍結されず、引き続き障害のある子供の支援ができる
(2)障害のある子供が亡くなるまでの長期的な支援が可能になる
(3)家庭裁判所の関与なしに、家族、親族だけでの体制作りができる
3、問題点
(1)兄弟等、信頼できる親族がいないと家族信託を利用するのは難しい
(2)障害のある子供と年齢が近い親族(兄、姉、弟、妹)が受託者になると、受託者の方が先に亡くなるリスクがある。
4、家族信託の契約内容
委託者:親
受託者:信用できる親族(兄弟等)
受益者:親
第二受益者:障害のある子供
終了原因:障害のある子供の死亡
※受託者が先に死亡するリスクに備え、後継受託者を設定しておく。
※受託者に不安がある場合は、信託監督人(専門家等)を選任しておく
※受託者が遠方に住んでいる場合は、入院、施設入所契約等「身上監護」に備える為に、同時に「任意後見契約」を締結しておく。
5、家族信託契約締結の注意点
(1)1年ルール
「受託者」と「受益者」が同一人物となる状態が1年以上続く場合、信託は自動的に終了すると規定されています(信託法163条2号)。
(2)30年ルール
家族信託では、遺言と違い、複数の世代にわたって受益者を指定していくことが可能です。
例えば、初代受益者として父親を指定、次に障害がある子供、次にその兄弟と、連続して受益者を設定できます。
しかし、信託契約から30年が経過した後に、受益権が新たな受益者に移行する場合、その受益権はその人物が亡くなるまでの期間に限定されます(信託法91条)。
つまり、30年経過した後は受益者の交代は1回のみとされています。
投稿者プロフィール
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