遺贈
1、定義
「遺贈」とは、遺言書によって、亡くなった人の遺産の全部または一部を、法定相続人以外の人に無償で受け継がせることです。
相続においては、亡くなった人の財産を相続する権利があるのは「法定相続人のみ」となります。
しかし、生前に遺言書にその旨記載しておけば、法定相続人以外の人が「受遺者」として、亡くなった人の財産を受け継ぐことができます。
2、遺贈の種類:包括遺贈
「包括遺贈」は、「どのような割合で財産を引き継ぐのか」を指定されます。その意味で「相続」に近いです。
「包括遺贈」は例えば「遺産の2分の1」という形で指定されるため、負債等があれば、それも指定された割合に応じて引き継ぐことになります。
3、遺贈の種類:特定遺贈
「特定遺贈」とは、「〇〇の土地を誰々に遺贈する」というように、特定の財産を受け継ぐ方法です。
なので、「特定遺贈」では負債などを引き継ぐことはありません。
4、相続税について
(1)基礎控除額の「法定相続人」の数に含まれない
相続税の「基礎控除額」=3000万円+(600万円×法定相続人の数)
ですが、遺贈を受ける人は法定相続人ではないので、この数に含まれません
(2)遺贈による相続税の2割加算の対象
5、似たような制度:死因贈与
「死因贈与」とは、生前に「私が死んだら○○を贈与します」旨の意思表示をしておく贈与です。
「遺贈」と「死因贈与」の違いは、「財産を受け継ぐ人の承諾の要否」です。「遺贈」:遺贈者の一存で遺言書に受遺者を指定できます
「死因贈与」:生前に受贈者の承諾を得た上で「死因贈与契約書」を作成する必要があります。
6、遺言執行者を決めておきましょう
遺言書を作成して遺贈する旨記載するときは、必ず遺言執行者を決めておきましょう。
遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができます(民法1012条2項)
法定相続人と受遺者との相続トラブルを回避する為にも、遺言執行者を決めて遺言書にその旨を記載しておきましょう。
投稿者プロフィール
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