「清算型遺贈」で不動産を特定の者に相続。遺言執行者の権限はどこまで?

「清算型遺贈」とは、遺言者死亡後、遺言執行者などが、不動産などの財産を売却して現金化することで、得られた売却益を相続人間に分配する方法をいいます。

メリットとして、不動産と異なり、金銭なら相続人間で公平に分けることができる、などがあります。

「遺言執行者」とは、故人の遺志を実現するため、遺言書に記された指示に従い、必要な職務を遂行する者のことです。

◎遺言執行者が必要な場合

①遺言書の内容をスムースに実現させたい

②遺言書で「相続人廃除」や「認知」「特定遺贈の履行」に関する記載があるとき

(1)相続人名義に相続登記

相続が発生した場合、相続財産は相続人全員の共有財産になるので、いったん相続人名義に相続登記をします。

(2)不動産の売却

遺言執行者がいる場合、相続人は、遺言執行者の遺言執行を妨げることはできません。

勝手に不動産を売却することはできません(民法第1013条)。

(3)買主への所有権移転登記

◎事例

遺言者の不動産につき、

㋐法定相続人のうちの特定の一人である長男への相続登記を経た後

㋑長男から買主への売買。所有権移転登記を行う

この㋐㋑の登記を遺言執行者の権限で行うことができるか?

遺言書の「遺言者の不動産につき、長男のみに相続させる」(㋐)は民法第1014条2項の「特定財産承継遺言」に該当します。

「特定財産承継遺言」とは、特定の財産を特定の相続人に相続させると記載した遺言書のことをいいます

「特定財産承継遺言」については、遺言執行者は相続人のために単独で相続登記を申請することができます。

これに対し、長男から買主への売買後の所有権移転登記(㋑)は、遺言執行者の権利義務(民法第1012条1項)の範囲外となります。

なぜなら、「特定財産承継遺言」の相続登記をもって遺言執行者の権限は履行されたことになるからです。

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山梨県甲府市にある「あきやま行政書士事務所」行政書士
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